検索窓
今日:6 hit、昨日:15 hit、合計:971 hit

ピアノ発表会 ページ14

アンケートの結果、一位は“Garlic”で、二位は同グループの“雪の結晶”だった。最後の二十分になり、先生が合図を出したため静かに舞台袖に着いた。


《今日は選曲のアンケートの結果、最も多かった曲を弾いてくれることになりました。では古谷さんよろしくお願いします》


プレッシャーがヤベェ……戸惑いながらも、ステージの中央へと向かう。マイクを渡されたから、


「古谷です。曲名は……今言って欲しい人。いないようなので、最後に言いましょうか。ではよろしくお願いします」


譲に聴かせてやるんだ。心を落ち着かせてピアノに向き合う。


心を込めて、譲に伝わるように弾く。自分も楽しそうに。最後のパートに入ると、思いっきり元気に弾いた。終了……!


いきなり割れるような音が響き渡った。あまりの大きさに驚き、みんなの方を見ると……泣いている人や座り込んでしまっている人、そんな人を心配する人たち……先生に至っては、全員泣いている。


「えっと……大丈夫ですか? 今の曲名は“Garlic”でした……あの……ありがとうございました」


{こんなすげぇ演奏聴かされて、これで終わりかよ!}


{もっと聴かせろ!}


「時間に余裕があるなら弾いてもいいですけど……」


先生たちは全員👍を示してる……


「アンケート二位だったやつでいいですか?」


{{{もちろん!}}}


「歌いたい人がいらっしゃったら、構わず歌ってもらっていいですから」


俺はそういうと、もう一度ピアノの前に座って指を鍵盤に置いた。力を込めて、小さな音からのスタート。


ステージ下からたくさんの歌声が聞こえてくる。みんな泣いてて、はっきりとは聞こえないが、かすかに聞こえてくるのは確かだ。


ラストスパート。鍵盤を叩く回数が多い難所だが、集中してクリアしていく。これも終了……また拍手喝采……そんなに感動してくれたのならありがたいが、大袈裟じゃないか?


「今の曲は“雪の結晶”です。本家も聞いていただいた方がいいと思います。ありがとうございました」


泣く人大勢すぎるだろ……今日宿題とか配られんのか……? なんとか、宿題は配られて無事(?)に夏休みに突入した。

諦め→←褒められる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:高校生 , オリジナル , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:こう | 作成日時:2022年3月13日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。