ピアノ発表会 ページ14
アンケートの結果、一位は“Garlic”で、二位は同グループの“雪の結晶”だった。最後の二十分になり、先生が合図を出したため静かに舞台袖に着いた。
《今日は選曲のアンケートの結果、最も多かった曲を弾いてくれることになりました。では古谷さんよろしくお願いします》
プレッシャーがヤベェ……戸惑いながらも、ステージの中央へと向かう。マイクを渡されたから、
「古谷です。曲名は……今言って欲しい人。いないようなので、最後に言いましょうか。ではよろしくお願いします」
譲に聴かせてやるんだ。心を落ち着かせてピアノに向き合う。
心を込めて、譲に伝わるように弾く。自分も楽しそうに。最後のパートに入ると、思いっきり元気に弾いた。終了……!
いきなり割れるような音が響き渡った。あまりの大きさに驚き、みんなの方を見ると……泣いている人や座り込んでしまっている人、そんな人を心配する人たち……先生に至っては、全員泣いている。
「えっと……大丈夫ですか? 今の曲名は“Garlic”でした……あの……ありがとうございました」
{こんなすげぇ演奏聴かされて、これで終わりかよ!}
{もっと聴かせろ!}
「時間に余裕があるなら弾いてもいいですけど……」
先生たちは全員👍を示してる……
「アンケート二位だったやつでいいですか?」
{{{もちろん!}}}
「歌いたい人がいらっしゃったら、構わず歌ってもらっていいですから」
俺はそういうと、もう一度ピアノの前に座って指を鍵盤に置いた。力を込めて、小さな音からのスタート。
ステージ下からたくさんの歌声が聞こえてくる。みんな泣いてて、はっきりとは聞こえないが、かすかに聞こえてくるのは確かだ。
ラストスパート。鍵盤を叩く回数が多い難所だが、集中してクリアしていく。これも終了……また拍手喝采……そんなに感動してくれたのならありがたいが、大袈裟じゃないか?
「今の曲は“雪の結晶”です。本家も聞いていただいた方がいいと思います。ありがとうございました」
泣く人大勢すぎるだろ……今日宿題とか配られんのか……? なんとか、宿題は配られて無事(?)に夏休みに突入した。
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こう | 作成日時:2022年3月13日 23時