妹が好きで何が悪い２【プリレジェ】

おまけ　クッキーの話（京極竜） ページ39

おまけ２


竜ちゃんから受け取ったクッキーの袋を開ける私と、目の前には竜ちゃんがいて


『竜ちゃん、なんか怒ってる…？』
「別に」


若干機嫌が悪そうに見える

あの後、正義さんに呼ばれて仕事の手伝いに行ってしまった尊兄はいなくて

この場に尊兄がいればきっと笑って終わるだろうに、なんでいなくなっちゃったのよとタイミングを恨んだ


『自分で食べる…？』
「食べない」


この状況に一応そう聞いてみたけれど、そこは譲らないんだと袋から出したクッキー

するとグイッと近づいてきた竜ちゃんに思わず驚いてしまって


『っ、ちか、』
「遠かったら食いずれぇじゃん」
『そうだけどさ…』


そう言うとハイと口を開いた


『あーん』


なんだか恥ずかしくて熱くなる頬にそっと竜ちゃんの口にクッキーを入れて

無事口を動かした竜ちゃんにホッと息をする


『美味しい？』
「うん、美味い」


柔らかく笑う竜ちゃんにやっぱりなんだか恥ずかしくて、誤魔化すように余りのクッキーの入った袋を差し出した


『はい。じゃあ後は自分で食べてね』


けれど、クッキーを袋から出した竜ちゃんは、何故かそれを私の目の前に差し出して


「ほら、やるよ」
『え、いいよ。私一個食べたし』
「じゃあ、俺がこうしたいからって言ったら食う？」
『何それ』
「だって兄貴だけズリィじゃん」


その言葉に首を傾げれば


「あぁ、もう。いいから食えって」


ズイッとより差し出されたクッキー


『…ほんとにいいの？』
「うん」
『竜ちゃん甘いの好きだって言ってたのに』
「いいの」
『じゃあ…』


それならお言葉に甘えてと口を開けてクッキーを食べれば、何故か満足そうな顔をされた


「美味い？」
『うん。美味しい』
「今度さ、また作ってよ」
『クッキー？』
「クッキーじゃなくても、Aが作ったもん食いてぇから」


そう言うとフッと笑った竜ちゃんは、俺も手伝ってくると部屋を出て行った




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おまけ終わり

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