妹が好きで何が悪い２【プリレジェ】

おまけ　クッキーの話（京極尊人） ページ38

おまけ



クッキーを持つ私と目の前にはニコニコの尊兄がいて

まるでおやつを待っている大型犬のようだと思った


『一個だけだからね』
「いや二個」
『一個』


そう言ってクッキーを袋から取り出して、なぜこんなことになってしまったのかと思いながらそれを目の前に差し出した


『はい、あーん』


嬉しそうに大きな口を開けた尊兄に手まで食べられそうな勢いだと、びっくりして若干引っ込めてしまったクッキー


「え、食わしてくれねぇの？」
『や、だって……尊兄手まで食べちゃいそうで…』
「いやさすがに手は食わねぇよ」
『わかってるけど』


この状況に熱くなってくる頬に、やっぱりもう自分で食べればいいんじゃないかと思い始めて

竜ちゃんが助けてくれないかなとチラリと見れば、ジッと待っている竜ちゃん

若干睨んでいるような視線は気のせいだろうか

するとパッと取られた手首に、視線を上げれば尊兄で


「食べさせてくれねぇの？」
『あ、え、その』


頬が熱い


「顔赤ぇー」
『だって！』
「はは、いただきまーす」


そう言うと尊兄に掴まれていた手首が若干上がって、手からなくなったクッキー


「ん、うめぇ！」
『ほんと！？』


もぐもぐと口を動かしながら美味しそうな顔をする尊兄に、よかったとホッとした


「A食ってねぇの？」
『うん。全部プレゼント用にしちゃった』


するとじゃあ、と言って袋に残ったクッキーを取り出した尊兄


「はい、あーん」
『え、でも尊兄の分が』
「Aも食いてぇだろ？」
『でも…』
「うまいから食ってみろって。な？」


実際クッキーは美味しそうだし、尊兄はそう言うしで

ほんの数秒迷った答えはすぐに出て、口を開けた


「はい、あーん」


口の中に入ってきたクッキーはとても美味しくて顔が綻ぶ


『美味しい！』
「だろ！？」
『尊兄ありがとう』
「どういたしましてって、俺が言うのおかしくね？」


二人で笑って


「じゃあ次竜な」


そう言った尊兄に忘れてたとハッとすれば、先ほどと変わらずジッと待つ竜ちゃんがいて

お預けされている犬みたいだと思った


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おまけ文なのでこちらに差し込みます
次は竜ちゃんです

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