妹が好きで何が悪い２【プリレジェ】

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「なんか今日あいつ機嫌良かったな」
『そ、そうかな？いつもと変わらないと思うけど』
「そうか？」
『うん』


尊兄と竜ちゃんの背中を押して、一緒に家に入って

玄関にまだなかった小さな靴に、いちごちゃんと仁くんはまだ帰って来ていないのだろう


「そういえば今日部活だって言ってたな、どうだった？」
『楽しかったよ。それで、はいこれ』


尊兄も竜ちゃんも欲しいって言ってたしと奏さんと同じ小さな袋を二人に渡せば


「マジか！！くれんの！？俺に！？」


驚く程喜んでくれた尊兄


『うん。だって食べたいって言ってたじゃん』
「マジか。ありがとう。あーヤベェスゲー嬉しい」


思った以上に喜んでくれた姿になんだか私も嬉しくなって、あげてよかったと思った


そして竜ちゃんはクッキーをジッと見たままで


『ごめんね少しで。もしもっと食べたかったらいちごちゃんと仁くんに貰って。二人に多めに作ったから』


甘い物好きだと言っていたし、足りないと不満なのかと思えば


「いや……これでいい。スゲー嬉しい」


照れたように口元を手で隠した竜ちゃん


「サンキュ」
『どうしたしまして』


これはこれで喜んでくれているみたいだ


「そんで、セレブ王子にはあげたの？これ」


思わずギクリとしてしまった言葉に、珍しく鋭い尊兄に苦笑いしか返せなくて


『えっとー……うん、あげた』


そう言えば眉根に寄った皺


『だ、だってしょうがないじゃん！約束したんだもん』
「えーでも」
『しょうがないでしょ。もう、嫌ならそれ私が食べる』


だから貸してと手を出せば


「嘘嘘食うに決まってんじゃん。これはAが俺の為に作ってくれたんだから」
『うん』
「はい、じゃあ食わせて？」
『は？』


尊兄の言葉に思わず一瞬止まってしまった思考


「はい」
『いやいやいや』


渡されてしまったクッキーに、そろそろ竜ちゃんが突っ込んでくれるんじゃないかと見れば、何故か尊兄の後ろにいる彼


『竜ちゃん？何してるの？』
「え、並んでる」
『並んでる！？』


驚く私に笑った彼もまさか食べさせて貰おうと考えていたなんて


「ほらA」
『あぁ、もう一回だけだからね！一回だけ！』
「いや二個入ってるし」
『だから一個は自分で食べてって言ってるの！』


兄弟とはこんなものなのか。若干熱くなる頬にクッキーを一つ取って尊兄の口に運んだ

おまけ　クッキーの話（京極尊人）→←▽　京極兄弟

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