妹が好きで何が悪い２【プリレジェ】

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夜、歯磨を磨きながら今日の美味しかったケーキのことを思い出していた

今度どこにあるか場所を聞いておこうと思いながら、あの時ショートケーキで顔を熱くしてしまった自分に後悔した

絶対おかしかったに違いない

あの時目が合った竜ちゃんには特に何も言われなかったけど

早く忘れようとコップに入れた水で口を濯いで、顔を上げると鏡越しにいた尊兄に驚いて心臓が揺れた


『歯、磨く？もう終わったよ』
「ん、」


タオルで口を拭く私にそう短く答えた尊兄

さっきまで思い出していたことが恥ずかしくて早くその場を後にしようとすれば

尊兄の手は歯ブラシを取らなくて、私を挟んで洗面台の淵に手をついた


『…えっと、私も終わったから……』


この距離にドクリドクリと心臓が煩くて、尊兄の手から逃れようと動き出そうとすれば私の肩に顔を埋めた尊兄


『ッ、尊兄――』
「頼むから、逃げないで」


ドクリと心臓が大きく揺れて体中に走った緊張感


「ちゃんと、俺の話聞いて」


背中から伝わる温もりと耳元に響く声がやけに大きく聞こえて

ドクリドクリと心臓が煩い中、洗面台に置かれた私の手は尊兄の大きな手によってきゅっと握られた


『ッ、尊――』
「好きだ」


私の声を遮った言葉は耳を疑うような言葉で私の体を動かなくさせる


「A」


呼ばれた名前に鏡を見れば鏡越しに合った瞳


「好きだよ、A」
『ッ…なに、言ってるの……？』


ドクリドクリと心臓は煩いけれど、尊兄の言っている言葉が理解できなくて

やっと出てきた言葉


「好きだから、あん時キスした」
『意味、わかんないよ。尊兄』


振り返ると直接合った瞳にそう言って、重なった真剣な瞳をすぐに逸らすと逃げるように去った


好き？尊兄が私を？

意味がわからない。兄弟として？それとも――



「あら、A。どこ行くの？」
『ちょっと、コンビニ』
「こんな時間に？もう遅いから尊人か竜に――」
『大丈夫、すぐ帰ってくるから』


あかりさんにそう言って財布だけを持つと家を出て行った

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