ep11 嵯峨沢ハル ページ2
『え!?ハルさん聖ブリリアント学園卒業だったんですか!?』
「そ」
『じゃあハルさんもお坊ちゃまなんですね』
今日もアルバイト先にお客様として来たハルさんはアメリカンコーヒーを嗜んでいた
「違う違う。俺はエコノミーだったから」
『エコノミー?』
「あそこはボンボン達が通うファーストクラスと俺みたいな普通の家柄でも入れるエコノミークラスがあんの」
『へぇ』
「ガッカリした?ボンボンじゃなくて」
『まさかそんな』
そう言えば笑ったハルさんはコーヒーカップに口を付けた
「そういやぁさ、この間のアイツ。マジで彼氏なの?」
『アイツ?』
ハルさんの言っている意味がわからなくて聞き返せば、「あのヤンチャ君」と付け加えられた言葉に竜ちゃんのことだと気が付いた
『あぁ。違いますよ、あれは私の兄です』
「は!?兄貴!?何それ禁断の恋的なやつ?」
『違います違います!私、養子に入ったんです。だから血は繋がってないんですよ。それにまずお互い恋愛感情ないですから』
「ふーん?」
すると何かを含んだようなハルさんに「本当ですよ」と念を押した
「まぁAはそうかもしんねぇけど」
『はい?』
「つーか、Aとひとつ屋根の下なんて羨ましい奴だなアイツ」
『何言ってるんですか』
「まさか手ェ出されたりしてねぇよな!?」
『ほんと何言ってるんですか?そんなことあるわけ――』
そう言ってから思い出してしまったのは尊兄とのことで
「は!?オイマジで言って――」
『そんなことあるわけないじゃないですか!』
少し大きくなってしまった声に口を噤んだ
「ハァ……マジかよ……」
『いやホント違いますからね!?』
それでもため息を吐くハルさんは私の言葉が耳に入っているのだろうか
「Aちゃん、これお願い」
『はーい』
マスターの声に返事をして、歩き出そうとすれば掴まれた手
「なぁ、A。今度マジでうちの美容室来ない?」
『えーうーん、いやぁ…』
「Aならタダでいいよ。それに毛先結構痛んでるしさ」
『タダは駄目です。行くならきちんとお金払いますけど、まぁ、考えておきます』
そう言うとフッと微笑んで小さく返事をしたハルさんの手を抜けた私はマスターの作ったコーヒーを受け取りに行った
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成田(プロフ) - 千さん» はじめましてこんばんは!凄く好きだなんて嬉しいコメントありがとうございます!最近更新がゆっくりでして、お優しい言葉とても嬉しいです。やっと2が終わり、3に続けることができましたのでまたお時間ある時にでも読んでくださると嬉しいです! (2020年6月14日 1時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 凄く好きで読んでいます。楽しみに待ってますので熱中症などに気をつけて頑張ってくださいね。ゆっくりで大丈夫ですので待ってます。 (2020年6月13日 9時) (レス) id: 5f39613bed (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» みきさんコメントありがとうございます!クッキーのくだりもありがとうございます!そう言っていただいて嬉しいです☆そして今日は誰と何をする?も読んでくださってるんですね!凄く嬉しいです!こちらこそ嬉しいコメントありがとうございます!とても活力になります! (2020年4月19日 0時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
みき - クッキーを貰った奏様と兄弟には笑わせてもらいました(^^)今日は誰と何をする?も楽しませてもらっています。ステキなお話ありがとうございます♪ (2020年4月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 28e8727e1e (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - みきさん» はじめまして嬉しいお言葉ありがとうございます!どう出会わせるか色々と考えたのでとても嬉しいです!毎日がドキドキな主人公さんが今後どうなるか楽しみにしていただけたらなと思います! (2020年3月23日 23時) (レス) id: d5fb161253 (このIDを非表示/違反報告)
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