第30話 緑谷vs轟 ページ32
「Aさん…」
「……百、おつかれ」
百が私の隣に座る。
落ち込んだ顔をしていたので、今はそっとしておくことにした。
鉄哲vs切島の腕相撲勝負は切島が制した。
次からは二回戦目、その最初は……
「緑谷
次は私の番だから、控え室に行かなければならない。でも『あの話』を聞いて、この試合の結末を見届けたいと思っていた。
「START！」
ｽﾞｱｯ
SMAAASSH！
開始直後に轟君が氷結を放ち、緑谷君が打ち消す。
(やっぱり指を犠牲に……)
緑谷君の指が痛々しい。
使う度に紫色に変色していく。
だがそれでは……
『防戦一方では彼には勝てないよ、緑谷君…』
そう思ったとき、緑谷君が叫んだ。
「全力でかかって来い！！」
緑谷君が血まみれの手を握る。
その言葉にイラついた表情を浮かべた轟君が攻撃にかかるが、動きが鈍い。
「モロだぁーーー生々しいの入ったあ！！」
案の定、緑谷君は轟君に一発入れ攻勢に出る。
それからと言うものの、二人とも体力が消耗した状態で戦っている。
(そろそろ…決着がつく……)
この試合の緑谷君を見て思ったことがある。
彼は勝敗以前に、轟君のことを………
「君の！力じゃないか！！」
さっきよりも悲痛な声で叫ぶ緑谷君。
ゴオ
『熱……』
その瞬間、何かから吹っ切れたように熱を出した轟君。
燃えるような熱さ
いや、それ以上に……
あたたかい＿＿＿＿＿
『最後の一撃』
そう思わざるを得ないほど、二人の力が高まっていく。
そして、互いの全力がぶつかり……
ゴオオオ！！
熱と衝撃が突き抜ける。
一瞬目をつぶってしまったが、それよりも……
(決着は……)
壁にぶつかった跡を残しながら、倒れる緑谷君。
「緑谷くん……場外、轟くん……三回戦進出！！」
それを聞いて、思わず立ち上がった。
百、爆豪君をはじめ、近くのクラスメイトが私を見る。
「Aさん？」
『……あ、いや何でもない……行ってくる』
何とか誤魔化し、試合の準備をしに歩き出した。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
廊下を歩いていると、手が震えていた。
この湧き上がる感情が何なのか分からないけど、次私が勝てば轟君とあたる。
正直……今の状態で、今の轟君に勝てる自信がない。
でも彼を救った緑谷君を見て、私も轟君に伝えたい事ができた。
『次の試合…勝とう』
こんな素直な感情を持ったのは初めてかもしれない。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
