第11話 セキュリティ警報 ページ13
昼＿＿
『……』
正直気まずい。
目の前で少年が1人、ｽﾞﾙｽﾞﾙと蕎麦を食べている。
そう、轟君だ。
百が先生に質問したいと言って別れた後、和食を注文して席に座った。
すると、食堂が満席気味だったのか、轟君が相席の許可を求めてきたのだ。
「隣いいか？」
『…どうぞ』
特に断る理由もなかったので了承した。
が、賑わう食堂でここだけが異様に目立っている気がしてならない。
「なぁ」
そんなことを考えていると、轟君が話しかけてきた。
箸を止め、顔を上げる。
「昨日は加減を間違えた。悪かったな」
普段の無表情だった。
あの時のような、憎しみのようなモノは感じられない。
『あ、はい』
まさか謝られるとは思わなかったので、少し驚いた。
声が止まりかけたが、とりあえず返事をした。
それを聞いて満足したのか、轟君は蕎麦に目を向け、食べるのを再開した。
(そういえば……)
彼の感情、憎しみが動いたきっかけ＿＿
昨日からずっと気になっていた。
不躾かもしれないが、聞いてみようか……
声を発しようとした、そのとき＿＿＿！！
ウウ〜〜〜
「セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい」
食堂にいた生徒が皆一斉に移動し始める。
(そんなに急ぐと…！)
ﾄﾞﾝｯ『っ！』
あっという間に大所帯になり、Aも人混みに流されていく。
相席してた轟君は、近くにはいない。
「いてえいてえ！！」
「押すなって！」
押し合い、倒れそうになっても勢いは止まらない。
さらに、女子の中でも低身長なAは…
ﾄﾞﾝｯ『！！』
誰かの足が引っかかり、バランスを崩してしまった。
倒れる身体への衝撃を覚悟し、目を瞑った。
グッ
突然襟首を引き寄せられ、そしていつの間にか壁際へ移動していた。
「クソてめぇ何やってんだよ」
『…爆豪君』
どうやら助けてくれたのは爆豪君らしい。
私が壁に寄り掛かって、爆豪君が私の頭の両脇に両手をつけている感じだ。
……壁ドンっていうヤツか？
一応守ってくれているらしいので、お礼を言ってみる。
『ありがと「…強ぇくせにヘマしてんじゃねぇよ」
『……え？』
周りに人が多すぎて、上手く聞き取れなかった。
もちろん聴力も強化してない状態だ。
「大丈ー夫！！」
どこかで飯田君の声が聞こえた。
同時に人の流れも止まった。
「チッ」
爆豪君は手を離し、「どけモブ共！」と言いながら人混みを掻き分け去っていった。
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蒼鈴蘭(プロフ) - ゆともすさん» コメントありがとうございます！！かわいいよりかっこいいを目指してます(笑)なかなか忙しくて更新するのが大変ですが、がんばります！！ (2018年8月29日 19時) (
レス) id: 61752baa50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - 主人公めっちゃカッコイイです！(´∀`) 続き待ってますー！頑張ってください(*^^*) (2018年8月28日 4時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - 桜瀧さん» ありがとうございます！！楽しみにしていてください！！ (2018年6月30日 18時) (レス) id: bbd138654f (このIDを非表示/違反報告)
桜瀧(プロフ) - ドラゴンの個性、めっちゃ好きです！！これからも更新楽しみにしています！ (2018年6月28日 18時) (レス) id: 83b4a1d791 (このIDを非表示/違反報告)
蒼鈴蘭(プロフ) - アロマさん» コメントありがとうございます！これからも個性をどんどん使っていくので、楽しみにしていてください！ (2018年3月12日 20時) (レス) id: 6d02c817f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼鈴蘭 | 作成日時：2018年3月4日 22時
