死柄木の場合 ページ19
ここはとある路地裏
方向音痴の松村は下校中迷い込んでしまった路地裏で
偶然出会った1人の青年と対峙していた
「誰？」
「お前こそ誰だよ」
松村は事もあろうか敵の死柄木に声をかけていた
「松村A
質問を質問で返す人初めて見た」
バカと言うか恐れ知らずと言うか
そんな事を抜かした松村に死柄木は嫌悪を抱く
「これだからガキは…
礼儀知らずでうるさくて存在してる事が気に入らない…」
首元を痛々しい音を立てかきむしる死柄木
それを見た松村はついその腕を掴み止めてしまう
突然の松村の行動に驚きが隠せない死柄木
対する松村はまっすぐ死柄木の赤い目を見て
「自傷行為は止めて 見てるこっちも痛い」
淡々と告げた
「な…」
そんなことを言われた事が無いであろう死柄木の目は
自身の腕を握る松村の顔をしっかりととらえていた
「へぇ面白いねアンタ…
気に入ったよ」
死柄木はかきむしっていた両手を下ろし松村に向き直った
言動の節々からまるで新しいおもちゃを見つけたと言わんばかり
嬉々とした感情が読み取れる
「雄英生だっけすごいなぁ」
両手を広げ浮かれた声を出す死柄木
先程とは打って変わった態度に松村は眉間にしわを寄せる
「あぁごめんごめん
初対面なのにって驚かせたね
って初対面でもないか…
覚えてるだろ？USJ以来だっけ？
教師かと思ってたけどまさか学生とはなぁ！
松村サン？」
その言葉を聞き松村の目は次第に見開かれた
「貴方まさか…！」
「そのまさかだよいやぁこんなトコで会えるとは
何しに来た雄英…((手いっぱい付いてた人…」
…。」
まぁ間違いではないがあんな事がありながら
当事者の名前を覚えていないのはこのバカ位だろう
「ねぇそれどうやって付いてるのちょっと見せて」
それどころか敵である死柄木に付いている手に興味津々だ
「は…？」
予想とは違う態度に死柄木は数歩身を引くが松村はお構いなしにと距離を縮めてくる
結果壁に追いやられ俗にいう壁ドンで逃げ場を奪われた死柄木
「お前一体…
と、父さんに触れるな！」
松村を押しのけようと死柄木は必死に抵抗したがそれが逆に仇となる
利き腕が松村の胸に触れたのだ
初めての柔らかな感触に顔を赤く染めしばらくフリーズ
だがすぐに松村を己から引きはがし何処かへ消えていった
「残念…
謎が解けると思ったのに」
それに対し赤い顔で帰宅した死柄木は珍しいモノ見たさの皆の見せ物となった
死柄木頑張れ
超頑張れ
終わり←轟の場合
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作者名：ユリアーナ（物間くんLOVE) | 作成日時：2017年11月21日 23時
