ヒロアカのキャラ達は1人の女子に悩まされる (ページ13)

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障子の場合ページ13

今は授業中

普通の座学だ

だが1人教材ノートすら出さず眠りこけている者がいた

松村である

すうすうと寝息をたて気持ちよさそうな寝顔である

これが授業開始5分も経っていないのだから驚きである

皆の視線は黒板でなく松村に投げられている

その異変に気づいたのか相澤も松村を見る

そしてため息をつき起こしに向かう

すると何やら言っている事に気が付いた

シンと静まりかえった教室に松村の声はよく響いたが声が小さいため大体が聞こえない

その内ハッキリと聞こえた言葉に皆驚愕の色を浮かべた

「障子…好き…」

『はぁぁあｯ!?』

突然の衝撃の事実にA組は混乱を極めた

思い思いの気持ちを叫ぶ者

障子と松村を忙しなく見比べる者

関心を持たない者にまくし立てる者

こうなれば相澤の指示も届かない

対する障子の顔からは表情が読み取れない

ふと障子は立ち上がり松村に歩み寄る

そして松村の肩を揺らした

「ん、んぅ…」

寝ぼけた目をこすり松村は障子を見上げる

そんな2人を教室の皆が注目する

先に口を開いたのは障子だった

「俺にも好きなモノくらいある」

は？

その言葉の意味を大体が理解できずにいた

「あるんだ

ないかと思った

障子教えてくんないし…」

松村の目がまたもトロンとしだす

「その好きなモノって何…？」

「____…」

「え？」

小さな声で障子は言った

だが松村はすでに夢の中

障子の小さなつぶやきは障子ともう１人にしか聞こえていない

「どうしたの？耳郎」

「や、何でも無い…」

耳が良い耳郎は全て聞こえていた

松村の寝言

「『障子』って『好き』なモノあんの…？」

だから興味を示さなかったのである

障子もまたしかり

だが耳郎は障子のつぶやきも拾っていた

「お前…」

と言うつぶやきを…

耳郎は密かにこう思った

障子がんばれ

超がんばれ