何の用 ページ22
今日も今日とて、キャンパスに線を増やしていく。あちこちの方向から吹奏楽部のラッパの音やスティックでゴム版を叩く音、メトロノームの音が広がっている。
だが、彼女は深海に潜ってしまっている。
音は遮断。
視界も余分なところはみない。
グ「また集中しているようだな。」
パンっと頬を打たれたかのように、したに向いていた顔をあげる。
「またか。今度は何のよう？」
私は呆れつつ息を吐く。
彼はこの1週間ずっと私のところへと来ては絵を見たり、本を読んだりしている。
帰宅部と言うのに家には帰らない。
私は以前彼になぜ帰らないか聞いたが、はぐらかされた。
グ「それそろ線画も終わる頃だな。お前は集中力が桁違いだから早いのかもな。」
「そうかな？多分この位みんな出来るよ。ただみんなしてないだけだよ。本気で世界との孤立みたいなものを感じられれば簡単だよ。」
グ「ふむ。成程な。」
彼は近くの椅子に腰掛け、今日は本を読み始めた。
「なんの本？」
グ「アリストテレスの詩学の本だ。」
彼は本から目を離さず、本をめくる。
彼はいわゆるイケメンの部類のためなんとも様になっている。
綺麗な髪が下を彼が向いたことでサラサラと耳からひとたば落ちる。
彼も本に意識を向けているのだからと私はキャンパスに向けた。
＿
＿＿＿
「…おわった。」
線画を見て、風景を見てを繰り返しフゥと一息つく。時間を見れば下校時間の30分以上前である。
グ「そうか、では、俺も帰るとしよう。今日は俺も美術室の方まで荷物を持っていこう。そのイーゼルとキャンパスを貸せ。」
「え、あ、うん。」
いつもならこんなふうに手伝わないが、今日は何を思ったか手を貸してくれるらしい。大変ありがたい。実際これらは重いから私はいつも一苦労している。
私はその他のものを持ち、彼の隣をスタスタとあるく。
美術室についたが、部長はいないようだ。
トイレかな？
「じゃぁ、私、それ片付けて来るのでここで少々お待ちください。」
グ「そうか、早く来いよ。」
彼からイーゼル達を受け取り美術室へと入り、彼にはドアの外で待ってもらった。
重いイーゼルを収納する場所に入れようとした。昨日使った人が雑な人だったのか随分乱雑に置いている。
片そうかな。いや、グルッペンまってるからやめとこ。
部長「君は、野浜くんだな。こんな所に何用か？」
明らかに部長の声だが何か違う。
グ「貴方は神田家の…お久しぶりです。」
私には嫌な汗が滲み出ていた。
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D(プロフ) - ルキさん» はい！実は個人的にどっちにしようか悩んでなんか他の方々と同じ書き方するのつまらんと思ったしだいです！ご質問ありがとうございます！よりよい話になるよう精進致します！ (2019年6月20日 16時) (
レス) id: 5255f6ffa2 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ - めちゃおもろいです！欝じゃなくて鬱ですよ…！わざとそうしてるのならすいません…！ (2019年6月16日 2時) (レス) id: f38841be90 (このIDを非表示/違反報告)
晃夜(プロフ) - ハルさん» 読んでくれてありがとうございます。更新遅くてすいません。早めに投稿できるよう善処します。好きです。笑 (2018年3月6日 14時) (レス) id: 153c465e30 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 好きです 頑張ってください！ (2018年3月6日 6時) (レス) id: 9915f5d63f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこ x他2人 | 作成日時：2017年4月15日 16時
