驚嘆 ページ6
「いえ! 無理ですよ。花鳥先生を本名で呼ぶなんて恐れ多い⋯⋯」
少女は片手を扇子のようにし、ぶんぶん振ってそう言った。花鳥先生。そんな名で呼ばれてもなぁ⋯⋯。私はその名を捨てたようなものなのに。結婚して名字の変わった女性を、旧姓で呼ぶみたいなものなのに。
「本名で呼んでください。別に何も気にしてませんし、花鳥風月の名は捨てたので」
少女は目を見開いた。捨てた、というのがよほど驚きだったのだろう。「小説家を辞めたい」とは言った覚えがあるが、「名を捨てたい」とは言ったことがない。ーーただ、一人を除いて。
「あ、あのー? あれぇ? 俺、忘れられてる?」
赤髪青年の言葉で我に返る。そう言えば、この少女と青年が誰なのか、そしてここがどこなのかを聞いていなかった。私だけが名乗るのも、不公平ではないか。
「⋯⋯ここはどこなんですか? そして、貴方たちは⋯⋯」
ハッとしたように少女も我に返り、なにやら慌て始めた。隣の赤髪青年と何か言っているようだが、私は気にしない。それよりも、周りにある本棚に収納された、大量の本が気になったからだ。
「ここは帝國図書館⋯⋯と言っても分かりませんよね⋯⋯とにかく図書館で、私は司書をしております」
少女が答える。やはり図書館か。通りで本がたくさんある。少女は司書といったか、では赤髪青年は? 彼も司書類いの者なのか。
「えーっと。俺は太宰治! 久しぶりだな、風月」
「⋯⋯はぁ?」
間抜けな声が出た。
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ラエル(プロフ) - 白樺派先生方をお願いします (2023年4月14日 15時) (レス) @page34 id: 2dd5f200d4 (このIDを非表示/違反報告)
奏星(プロフ) - はい!是非お願いします! (2017年11月12日 18時) (レス) id: e5211bd18f (このIDを非表示/違反報告)
有栖川白兎 - 奏星さん» 石川先生は次の話で登場させるつもりですが、北原先生も登場させたほうがよろしいですかね?彼も一応、明星には関係あるので…… (2017年11月12日 17時) (レス) id: 5116200095 (このIDを非表示/違反報告)
奏星(プロフ) - はい!ありがとうございます! (2017年11月12日 14時) (レス) id: e5211bd18f (このIDを非表示/違反報告)
有栖川白兎 - 奏星さん» 閲覧、コメントありがとうございます。明星の先生方とはいつか絡ませたいと思っていたのでちょうどよかったです。近いうちに書きますね (2017年11月12日 14時) (レス) id: 5116200095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:有栖川白兎 | 作成日時:2017年11月3日 14時