邯鄲之夢【文豪とアルケミスト】

迷子 ページ16

「おやすみなさい」

織田作之助著、「天衣無縫」を手に、私は三人に別れを告げた。夜更かしは嫌いだ。司書さんは、まだ寝ないらしく、「もう寝ちゃうんですかーおやすみなさい！」と手をひらひら降っていた。

シンとした廊下を一人で歩く。先程まで人がちらほらいたはずなのに、もう人っ子一人いない。静かで、嫌いじゃないが。

ここを曲がれば談話室に着くはずだ！ と自信を持って曲がったーーが、着いたのは談話室ではなく、「司書室」と書かれた扉の前だった。もちろん、司書さんはまだ無頼派二人と一緒のはずだから、ここにはいない。

「司書さんならいないよー？」

引き返そうと回れ右をしようとした瞬間。声変わり前の、幼い少年のような声がした。振り返って見ると、そこには帽子とマントを身に着けた、可愛らしい少年が立っていた。私よりも、少しだけ背が低い。少年は、私を見るとにっこりと笑った。

「ボクは宮沢賢治！ 君は？」

宮沢賢治ーー岩手県を代表する文豪である。そして、私の憧れであり、尊敬に値する人だ。何故なら、私も岩手の出身だからだ。宮沢先生の本が、先生が生きているうちにあまり刊行されなかったのが少し残念に思える。

「花鳥風月です⋯⋯ご存知ないとは思いますが」

念のため自己紹介。一応筆名(花鳥風月)を名乗っておいたが、やはり宮沢先生は私のことを知らないようだった。ごめんね、知らなくて。なんて謝られる。宮沢先生が謝らなくてもいいのに。

「失礼ですが⋯⋯宮沢先生。談話室まで連れて行ってください。お願い致します」

星座→←矮小

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す