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安倍―…休憩=癒しに会う ページ5

「あ、安倍さん」



茶屋で働いている私は、よく安倍さんに会う。



「今日も御茶だけですか?」


「ああ、頼む」



了解です、と笑って見せ奥へと戻る。


仕事がお忙しいのだろう、いつも疲れ切ったお顔でしかあったことが無い。


帰り際に、レアである笑顔が見れることはあるのだが・・・。


たまには、元気な状態でも来ていただきたい


あ、いや決して今の安倍さんに全く元気がないとかいうわけではなく・・・




「おまたせしました」



コト、と安倍さんの隣にお茶を置く。



「あぁ、すまないな」


「いえいえ」



私の口が勝手に開こうとしたところ、タイミング悪く注文が入った。


ああもう、ちょっと拗ねながらお客さんの方へ


ぶ、無愛想になってなかっただろうか


終わった後にちょっとだけ後悔した


それと同時に、安倍さんもお茶を飲み終わっており


そろそろ行ってしまうようだ



「もう行かれるんですか」


「ん、ああ」


「またいらしてくださいね」


「そうだな」




そこで何か言おうとした安倍さんの口が閉じた。


そして少し頬を染めてもう一度開いた




「御前にはいつも癒されているからな」


「・・・!?」



なでなで、と子ども扱いされるように頭を撫でられ


思わず目を見開いてしまった。



「御前のおかげで疲れも吹っ飛ぶ」


「そっそうです、か」



どんどん俯いていく私の顔。


このような事を言われて、照れないはずがない。


顔など、見れるわけがない




「どうした」


「な、何でもないです・・・」




顔を覗き込まれ、少し後ずさる。


そこで私が照れていると気付いたのか


ふっと笑い




「また邪魔させてもらう。その時も頼むぞ」


「えっ、あ、は、はい」



何を・・・?


そんな疑問も、微笑んだ安倍さんの顔のおかげで吹っ飛んでしまった。



「・・・」



頭にまだ、手の感覚があるような気がして


一人で顔を赤くして突っ立っていた。



・・・心なしか、安倍さんの顔も赤かった気が・・・。

曇兄弟・白子―…川の字→←天火―…恥ずかしがる彼の面白さ



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crrrr - 何度も読ませて頂いておりましたが、数年経ってまた読みたくなりまた読ませて頂いています。大好きです! (2022年7月10日 2時) (レス) @page1 id: 960a6975c5 (このIDを非表示/違反報告)
RINN - 次は激ピンクの作品が読みたいです! (2018年10月7日 7時) (レス) id: b532f9f747 (このIDを非表示/違反報告)
にょんすけ - いえいえ〜、全然大丈夫ですよ!むしろよかったです^_^ニヤニヤしながら読んでましたwwリクエスト答えてくれてありがとうございました! (2014年11月9日 23時) (レス) id: 91ca37a4af (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - にょんすけさん» 作成させていただきましたが、なんか甘やかしているって感じが出てないかもしれません…!すいません (2014年11月9日 21時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - にょんすけさん» いえいえ、こちらこそすいません。了解です!書かせていただきます! (2014年11月9日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年7月31日 10時

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