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天火―…恥ずかしがる彼の面白さ ページ4

「兄貴ー、Aさん来たぞー」


「天兄、Aさんの前だと様子が変なんすよ!」


「うん、知ってる」



隣に座る宙太郎に笑いかけ、天火の姿を待つ。


いつもはちゃらんぽらんで、デリカシーがない方な天火だけど


私の前じゃちょっと違う



「ちょちょちょっ!!」



そう聞こえた声は天火の声。



「おい、まっ、少しっちょっ」


「宙太郎!手伝え!」


「えっえっ」


「手伝うなああっ!!」


「ぅ、うっす!」



空丸の姿が見えたとき、天火のあの髪型と腕が見えた。

空丸が必死に天火を引っ張っているのだけれど



「あぁにぃきぃっ!!」


「ま、まだ心の準備ってモンが・・・!!」


「うるせぇっ!何度もあってんだろうがァッ!」



まだかなー。

と思いつつ部屋の中で天火を待っていると



「ごめんな、いっつもああで。よければ茶でもどうぞ」


「あ、ありがとう」



ありがたくお茶をいただくと

空丸が痺れをきらしたのか



「帰ってもらうぞ」



と言った。

勿論、本気ではないのだけれど



「そ、それは・・・ってああっ!」



えっ、と驚いた瞬間

空丸が背中を押し部屋に入らせた。

それに気付いた


というか私に気付いた天火は



「うっちょ、まっ」



と顔を真っ赤にした



「そのっ、お、遅くなって悪いな・・・」



どんどん小さくなる声。

空丸達に対するあの偉そうな態度の面影はどこにもなかった。



「気にしないで」


「う、んと、その・・・」


「出かけよっか」


「お、おう」



立ち上がると、天火はすぐに背中を向け外に出た。

それを追いかけるようにして私も外に出て、天火の隣に立った。


それだけで緊張したのか、天火は体を強張らせ顔を赤くした。



―――・・いつもの天火はどこへ・・・。



その姿とあまりに別人だったので

クスッと笑ってしまった



「な、何か変か・・・?」



そう言って少し身だしなみをチェックする天火

本当に別人。



「何でもないよ」


「そ、そうか」



安堵の笑みをこぼす天火。

・・・の、手は私の手に触れようとしていた


その手は震えていて、何度もこちらに揺らしてはすぐに自分の方へと戻る。

そして



「ッ、手」


「・・・うん?」




小さな声で聞こえなかったので聞き返すと、目があい天火の顔はもっと赤くなる。



「手、つ、繋げ」



こちらに拒否権はなく、強制的に繋がれた


真っ赤になる天火は、なんか特別な感じがする。

そう思い、幸せな時間に浸った。

安倍―…休憩=癒しに会う→←空丸―…告白は男から



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crrrr - 何度も読ませて頂いておりましたが、数年経ってまた読みたくなりまた読ませて頂いています。大好きです! (2022年7月10日 2時) (レス) @page1 id: 960a6975c5 (このIDを非表示/違反報告)
RINN - 次は激ピンクの作品が読みたいです! (2018年10月7日 7時) (レス) id: b532f9f747 (このIDを非表示/違反報告)
にょんすけ - いえいえ〜、全然大丈夫ですよ!むしろよかったです^_^ニヤニヤしながら読んでましたwwリクエスト答えてくれてありがとうございました! (2014年11月9日 23時) (レス) id: 91ca37a4af (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - にょんすけさん» 作成させていただきましたが、なんか甘やかしているって感じが出てないかもしれません…!すいません (2014年11月9日 21時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - にょんすけさん» いえいえ、こちらこそすいません。了解です!書かせていただきます! (2014年11月9日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年7月31日 10時

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