検索窓
今日:14 hit、昨日:49 hit、合計:224,819 hit

ページ35

式典が終わりに近づいてきた。
僕の右に座っているTHヒョンは式典中の僕の葛藤には気づいていない。
だから僕は授賞式として真面目な場面を除いてAから意識を外すためにTHヒョンと度々ふざけていた。

それも、もうすぐ終わる。
少しホッとしたその時、Aの横に座っている男性が怪しげな動きをしているのに気付く。


何だかとても嫌な予感がする。

ピリピリし始めた僕に気づいたのか
JNヒョンが隣から声を掛けてくる。

「どうした?」

何も答えない僕の視線の先をヒョンは辿って分かったみたいで、ヒョンも眉を顰める。

最初は肩に手を置くぐらいの軽い物だったけど、だんだんエスカレートして際どい動きになってきた。

それに僕は段々我慢出来なくなってイライラした雰囲気を隠すことが出来ない。

そんな僕の様子に流石のTHヒョンも気付いて、心配そうにしている。

そして、他のヒョン達も状況を察しだして、終盤になり盛り上がっている周囲とは反対に僕たちの周りだけピリついている。


今まで、困ったようにその男性の手から出来るだけ自然な動きで避けていたAの肩がビクッと動いて彼女が俯いた。

男性がAのドレスのスリットから出る足に手を伸ばしている。
しかも際どい位置に
それを見た瞬間、僕は考えるより先に動いていた。

「おい!グク!」

と心配そうに声をかけるヒョン達を無視してAの元へ一直線に向かう。


「Don't touch my wife.
Didn't you hear it?
I said don't touch her」

(僕の妻に触るな。
聞こえなかったのか?
彼女に触れるなと言ったんだ。)

僕は冷たくそう男に言い放つ。
そして、震えているAを立たせ僕の方にもたれ掛けさせる。

Aは僕の胸元に顔を寄せ、肩を震わせながら静かに涙を流していた。

そんな彼女の姿を隠すように僕は着ていたジャケットを抜いで彼女の頭から被せた。
周りから彼女が見えないように。

そして、彼女をそのまま抱きかかえて、何が起こったとざわめく会場を足早に出ていく。

〇→←〇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (265 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
798人がお気に入り
設定タグ:BTS , ジョングク , 女優
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - とても読んでて楽しかったです!続きのパスワード教えて欲しいです! (2022年2月8日 12時) (レス) @page37 id: 95db141eb0 (このIDを非表示/違反報告)
美加莉(プロフ) - さくらさん» あ!そうなんですね!!いえいえ、全然大丈夫です!ご対応ありがとうございました😭 (2021年11月23日 21時) (レス) id: d0142f9e8a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 美加莉さん» すみません!最初に小春という名前で始めた名残で一旦、小春という名前で書いて後で名前変換できるようにしています。ですが、所々出来ていなかったみたいです。サッと直しましたが多分まだ直せていない部分があると思うので、時間がある時に見直して直していきますね。 (2021年11月23日 21時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
美加莉(プロフ) - いつも楽しみに拝見しています!一つ質問なのですが名前の小春というのは主人公の名前なのでしょうか? (2021年11月23日 21時) (レス) @page17 id: d0142f9e8a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さくら | 作成日時:2021年11月15日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。