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ドラマの撮影も終わりに近づいてきた頃、彼女と同じ日に撮影があった。
これが、彼女との最後の撮影となる。
今日、彼女と話さなかったらきっと後悔する。
そう感じて私はこれまで近づけなかった彼女に勇気を振り絞って声を掛けた。
「Aさん」
先日と同じようにイヤホンをして目を閉じていた彼女は、私の呼び掛けに顔を挙げた。
そして、いつものように柔らかい表情を浮かべている彼女は何か言いたげな私をみて、イヤホンを外す。
「私を呼んでくれていましたか?」
「は、はい」
緊張で上ずる声。
「イヤホンをしていて聞こえてなかったみたいです。ごめんなさい」
下っ端の私にも彼女は丁寧な言葉で話してくれて、私の言葉を静かに聞いてくれる。
「あ、あの……。わたし、Aさんとお話したくて、、それで、あの……」
緊張で上手く言葉が出てこない。
「ゆっくりでいいですよ。
良かったらここに座りませんか?」
そういって彼女は、すぐ横に置いてある椅子に私を座らせた。
近くなった距離にますます緊張しつつも、段々彼女のもつ穏やかで優しい雰囲気に心が落ち着いてきた。
「あの!私全然、上手く演技できなくて……」
私は顔を伏せながら小さな声で彼女に話しかける。
「緊張とかプレッシャーとか感じてしまって……
Aさんは、プレッシャーとか感じることありますか?
……いや、何言ってるんだろう私。
今の忘れて下さい。
そんなの感じる訳ないですよね……」
彼女が緊張やプレッシャーを感じている姿を見たことがないし、第一、世界で活躍する大女優に向かって私は何を言ってるんだろう。
そう慌てる私に彼女は微笑む。
「私、人見知りで緊張しいなんです。
だから、すずさんと同じようにいつも緊張しています」
そう答えた彼女に私は驚いて顔を挙げる。
「……え?でも、そんな素振り全く……」
そう呟いた私に彼女は少し笑って続ける。
「今は昔に比べて大分ましになったけど、昔はこうやって人と喋ることすらできなくて、よく両親や兄の背中に隠れていたり、、そんな自分を克服するのに
かなり苦労しました。
今も本番前は緊張するし、プレッシャーとか
不安を感じて落ち着かない時があります。
すずさんから見てそう見えていないってことは、
昔より隠すのが上手くなって表情に出ないようになったのかな?」
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優(プロフ) - とても読んでて楽しかったです!続きのパスワード教えて欲しいです! (2022年2月8日 12時) (レス) @page37 id: 95db141eb0 (このIDを非表示/違反報告)
美加莉(プロフ) - さくらさん» あ!そうなんですね!!いえいえ、全然大丈夫です!ご対応ありがとうございました😭 (2021年11月23日 21時) (レス) id: d0142f9e8a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 美加莉さん» すみません!最初に小春という名前で始めた名残で一旦、小春という名前で書いて後で名前変換できるようにしています。ですが、所々出来ていなかったみたいです。サッと直しましたが多分まだ直せていない部分があると思うので、時間がある時に見直して直していきますね。 (2021年11月23日 21時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
美加莉(プロフ) - いつも楽しみに拝見しています!一つ質問なのですが名前の小春というのは主人公の名前なのでしょうか? (2021年11月23日 21時) (レス) @page17 id: d0142f9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2021年11月15日 19時