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11時を過ぎると、地元の中学生や小学生が増えてきた。
ご近所さんも、たくさん来てくれてる。
書道部に足を運んでくださる方の、お話を聞くのも楽しい。
とあるおじいさんは、ここの古い卒業生で、わざわざ歩いて来てくださったんだとか。
中には、遠方から電車で来た、なんて人も。
書道部のOBの方もいて、話が弾んだ。
文化祭の、こういうところが好き。
普段絶対合わないような人に、会えるところ。
「ごめん、お昼買ってくるから、ちょっとの間お願いね」
「はい、いってらっしゃい！」
お昼時になって、お客さんも落ち着いてきたから、模擬店で焼きそばでも買おうと、2年生に任せて外へ出た。
模擬店の出ている中庭は、たくさんの人で賑わいを見せていた。
見るからに熱血タイプの男子が、ひとりひとりに声を掛けていたり、浴衣を着た女子が呼び込みをしていたりと、なんだか楽しげだ。
お目当ての焼きそばを買って、すぐに書道教室へと戻った。
誰がいつ来てもおかしくないし、呼んでいた人が来ても、私がいなければ意味がないし。
戻ってみると、お客さんはいなくて、後輩がこくり、こくりと寝落ちしそうになっているところだった。
「あ、おかえりなさい」
「ほら、私戻ったし、お昼買っておいで」
「......じゃあ、お言葉に甘えて」
若干眠たげな目をこすりながら、後輩は教室を出ていった。
また一人。
お客さんのいないスキを狙って、焼きそばを口に詰め込む。
すごくお腹が空いていたから、ペロリと食べられた。
普通の町でやるお祭りよりも、コスパがいい。
そして量も多い。なおかつ美味しい。
だから、早めに買わないと、すぐに売り切れる。
水を飲んでから、またシフトに戻った。
暫くはちらちらとお客さんが来るだけ。
だから割とゆっくりしていられた。
途中からは後輩も一緒に、いろんな人と談笑したり。
暇だねー、って言い合いながら、過ごしていた。
いや、実際暇だしね。たまにお菓子を食べながら。
そんなふうにしていると、左から聞き覚えのある声がした。
「Aー！」
「みこと！来てくれたんだ」
涼しげな白のワンピースに、紺のカーディガンを着ているみこと。
頭の高いところで束ねたポニーテールが、揺れる。
うん、似合ってるな。可愛い。とても可愛い。
なのに、気取らない。
彼女の、そんなところが人にいい印象を与えるんだと思う。
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なの(プロフ) - たぴおか。さん» たぴおか。さん、初めまして！嬉しいお言葉、本当に励みになります！ゆっくり更新となりますが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月12日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。(プロフ) - はじめまして ！コメント 失礼します 。最近 読み始めたのですが 、とっても好きになりました ！！ これからも更新 待ってます ！ (2018年2月11日 11時) (レス) id: 7c7e156c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2016年7月13日 20時
