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大切なもの ページ16

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あの頃はこんな現実は夢だと思ってたし、彼とこんな現実を迎えるとは夢にも思ってなかった。









『おはよ』
「…おはよ」
『……緊張してんの?』








朝一番に迎えに来た拓弥は私の顔を見ると面白そうに笑う。普段なら突っ込んでやるけど、







「…してる」






今日はそれどころじゃない。









拓弥は一瞬驚いたように目を見開くとすぐに優しい笑顔になって私を優しく抱きしめる






「拓弥?」
『…大丈夫。俺がお前のことを世界で一番幸せにするから』
「…ほんと?」
『……ほんと』








拓弥は少し体を離すとじっと私の目を見つめる


『世界で1番、好きだよ』














「あっ、ちょっと何すんの!」
『お前がボケーっとしてるから悪りぃんだよ』
「はぁ?!」
「まぁまぁ、拓弥もAも落ち着いて」








拓弥とは仲の良い友人というよりは常に喧嘩腰で言い合う仲間って感じだった







『海は人が良すぎんだよ』
「拓弥が性格悪いだけじゃない?」
『お前に言ってねぇ』
「何2人してー俺の取り合い?」

『「違う」』









こんなバカな私たちをずっと笑って見守ってくれてたのは共通の友人の海だった








「何だよお前ら」





くしゃっと笑う笑顔が可愛らしくて、いつだって私たちにとってかけがえのない人だった。









『…は?』
「え、嘘でしょ?」
「……嘘だったら俺も嬉しいんだけどね」









高校2年の夏、私と拓弥は2人で駅のホームにいた。

階段から降りてきた海は一瞬驚いたような顔をしてすぐにいつもみたいに可愛らしい笑顔で笑う。思わず、視界が潤んだ。









「…知ってたんだ」
『母さんから聞いた』
「おしゃべりだなぁほんと」





海は面白そうにクククと笑う







「…じゃあ、折角会えたんだから。2人にお願い」









海は荷物を置くと一気に私と拓弥を抱きしめた







「……2人とも、ちゃんと素直に気持ちを今すぐ伝えなさい。そうしたら俺は安心して出ていける」








海が離れて思わず拓弥を見上げたら目があった






『…さすがだな』
「俺を褒めるのはいいから」








拓弥は今までに見たことないぐらい優しい笑顔で私の方を向いた






『…ずっと好きだった』









これが、高2の夏。あれから何度夏が過ぎたっけ。

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○○(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます。頑張らせていただきます! (2018年7月28日 22時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - 作者さんの小説大好きです!これからも応援してます! (2018年7月28日 20時) (レス) id: a151bbb754 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます!嬉しいです。頑張らせて頂きます! (2018年3月20日 9時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - たくちゃんのプロポーズのお話泣きそうになりました…。更新待ってます!頑張ってください:-) (2018年3月19日 22時) (レス) id: d6341b5934 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:.C | 作成日時:2017年12月23日 22時

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