甘い君 ページ14
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正直あそこで1発殴るか、怒鳴るぐらいしたかったけど
「まぁ、Aちゃんがいるから!」
そう言って帰っていく上司の背中を悲しく眺めるしか出来なかった。どうせ私は賢くもない女子大上がりのただのOLですよ。唯一心の中で嫌味を言ってやる。
「…はぁ」
結局残業。残業制度始めた人嫌い。
とりあえずとっとと終わらせようと思ってペンを探す。
のに、見つからない。嫌な予感がして隣のデスクを覗くと予想的中。
「…そろそろ訴えれるかも」
我が物のように置かれたペン。隣のデスクのセクハラ同期の仕業。なんでもかんでも女子の物を勝手に使うって謎の癖。もはや性癖なんじゃない?
その癖は隣の席の私が被害を受けることが1番多い。
あー…これ、拓弥に貰ったやつだったのに。なんか汚された気分。
何かが変わるって訳じゃないけどティッシュで拭いてみる。
「……はぁ」
何が楽しくて今こんなところにいるんだっけ。キーボードを叩く手がさらに憂鬱になっていく。
「やっと終わった…」
11時を示す時計に今日はまだ優秀だな、と自分を褒める。
早く帰って早く寝よう。明日は仕事が休みだ。
人がすっかり減った電車に揺られ、目を瞑るとどっと疲労感に襲われる。
あー…このままずっと揺られていたい。現実から逃げたい。
<××駅>
アナウンスで嫌でも現実に戻される。
「…ただいまぁ」
当たり前だけど、拓弥はもう寝ちゃってる。暗いリビングで1人ソファーに倒れ込む。なんだかもう何もかも投げ捨てたい。段々と目頭が熱くなってくる。
『…そんなとこで寝るなよ』
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○○(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます。頑張らせていただきます! (2018年7月28日 22時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - 作者さんの小説大好きです!これからも応援してます! (2018年7月28日 20時) (レス) id: a151bbb754 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます!嬉しいです。頑張らせて頂きます! (2018年3月20日 9時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - たくちゃんのプロポーズのお話泣きそうになりました…。更新待ってます!頑張ってください:-) (2018年3月19日 22時) (レス) id: d6341b5934 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:.C | 作成日時:2017年12月23日 22時