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嫉妬 ページ13

.3




「ごめんね、また明日もよろしくね!」
「全然大丈夫!じゃあね」





まだ残って委員の仕事をするという小笠原くんに手を振って図書室を出る。


すっかり遅くなってしまった。廊下は静まりかえっている。ちょっと早歩きで歩く私の足音だけがコツコツと響く。







『おっせぇ』
「やっ、!?稜雅!?」







思わず後ろに転びかけた体制を慌てて戻す。稜雅は呆れたような顔でこちらをみてくる


「え、なんでいるの?」

今日遅くなるから先帰ってってライン、したんだけど







『…なんとなく』









稜雅はちょっと頬を赤くして目をそらす。嘘つきだな。








「ありがと」
『おう』








私が靴を履き替えるとちょうど良いタイミングで私の手を取る





『明日晴れっかなぁ』
「晴れるといいね」



ちょっと見上げるこの身長も



『てかお前手冷たくない?大丈夫?』
「今日カイロ忘れた」



細いけど男らしくて大きい手も



『はぁ!?朝言えよ、あげたのに』
「えーそれじゃあ稜雅が寒いじゃん」
『俺はいいんだよ』




紳士なところも、全てが好き。自慢の彼氏。









「あ、稜雅」
『ん?』
「明日も今日の仕事の続きやらなきゃいけないから一緒に帰れないの。明日冷え込むらしいから、先帰っててね?」









信号待ちでふと思い出した。明日も小笠原くんが手伝ってくれる。









『…委員の仕事?』
「そうそう」




信号が青に変わる






「…稜雅?」









信号が変わったのに進もうとしない稜雅を見上げる





「いかない『ねぇさ』







遮られた言葉に驚く







「…なに?」
『それって、また海と2人でやるの?』






稜雅の見たことのない表情




「そうだけど…」
『じゃあ俺も手伝う。やる』
「え?」





稜雅はちょっと唇を尖らせて顔をそらす




「…ねぇ、稜雅」
『…ん?』
「もしかして妬いてる?」
『なっ、何を急に…』





図星、かな?稜雅は頭をくしゃくしゃと掻く。嘘つくときのクセ。








『わっちょっとA!』

隣に立つ稜雅に抱きつく。



『ちょ…恥ずかしい』

その恥ずかしがり屋なところも






『あーもう……』

抱きしめ返してくれる優しさも、そして









「妬きもち稜雅さん」
『…そうです妬きもち妬きました…』


実は妬きもちなところも。

全部、「…大好きだよ」








稜雅は更にぎゅっと抱きしめてくる。









『じゃあ俺は愛してる』





.嫉妬

甘い君→←.



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○○(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます。頑張らせていただきます! (2018年7月28日 22時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - 作者さんの小説大好きです!これからも応援してます! (2018年7月28日 20時) (レス) id: a151bbb754 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます!嬉しいです。頑張らせて頂きます! (2018年3月20日 9時) (レス) id: bc97300b24 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - たくちゃんのプロポーズのお話泣きそうになりました…。更新待ってます!頑張ってください:-) (2018年3月19日 22時) (レス) id: d6341b5934 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:.C | 作成日時:2017年12月23日 22時

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