恋する乙女よ、嘘をつけ。 ‐ 2 (ページ37)

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「どこ行きたい？」
「うーん…」

どこって言われても、
もう草川先輩と2人だけっていうシチュエーションだけで私には満足すぎるくらいだから、

「どこか、先輩の好きなところで」
「まじ？」

草川先輩は1度私をみて次は空を見上げるとうーん、と考え出す。

「服屋、行ってもいい？」
「はい！行きましょ」

人通りの多い道を2人で並んで歩く。前から歩いてくる人や後ろから抜かして行く人。騒がしい街の音の中で邪魔にならないように、話すには必然的に距離が近くなる。

「Aちゃんはどんな服が好きなの？」
「これといって好きなものはないです。」

実際可愛いと思ったのを買ってるだけで系統なんかは揃ってない。

「そうなんだ」
「なんか、好きな系統とか決まってたら楽なんだろうな～とは思うんですけど」
「無くても良いんじゃない？」
「そうですかね・・」

「似合ってればなんでもいいよ」

なんか、なんか、めちゃくちゃ

彼氏みたい……

「次のとこ、右」

そう言って曲がったところはさっきとはうって変わって、静かな街になる。

「こんなとこあったんですね」
「結構な穴場」

きょろきょろと周りを見渡していると笑いを堪えるような顔をしている先輩と目が合う

「Aちゃん、楽しそ」

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