57頁 ページ11
カウンセラーにまで突き放されて
家族も来ないなんて
その子は一体誰に不安な気持ちとかを言えばいいの？
あたしが憧れてた
カウンセラーという仕事はそんなものだったの？
あたしがなりたいのは
おばあちゃんを担当してくれた人みたいな
まるで家族みたいに心に寄り添って
その気持ちを理解してあげられるカウンセラー
最後の救いであるカウンセラーにまで
突き放されてしまった彼を救うのは
一体誰なんだろう_______？
そういう人の味方でいてあげるのが
この仕事じゃないの？
もやもやした気持ちを抱えたまま
病室へと向かった
.
.
.
コンコン
期待はしていなかったけど
もちろん返事はない
「.......入るね？」
.
.
視界に広がる真っ白な空間
一人なのにやけに広い部屋
その寂しい空間の中
その男の子は
広すぎる部屋の真ん中の小さなベッドの上
傾斜がかかったベッドを背もたれに座り
ぼーっと一点を見つめていた
視線がゆっくりとこちらへ向けられる
『.........あんた、誰？』
「こんにちは。
あたしはね、実習で来てる
Aって言います。
今日から少しの間だけど
貴方の担当をするからよろしくね」
ずっと入院生活をしているからなのか
透き通るような白い肌
柔らかそうな栗色の髪の毛
真っ黒な綺麗な瞳
その瞳と一瞬目が合ったもののすぐに逸らされた
「お名前、教えてもらえないかな？」
『............』
立ったままなのは圧迫感を与えてしまう
目線を同じにしようと
その男の子の座るベッドに腰掛けると
彼はびくっと反応した
怖いのかな？
.........人と関わるのが
「ごめんね、びっくりさせちゃった？」
“ .......出てけよ ”
「.......え」
『出てけ！！！！！ 』
.
.
.
名前も教えてもらえないまま
初日が終わった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2040人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えりんぎぷ−る - 一気に読んで、たくさん泣きました！推しでもないれんれんなのに、、、www天使っていう設定がまたまた良いですね。 (2020年7月1日 22時) (
レス) id: 2200018ee9 (このIDを非表示/違反報告)
miii(プロフ) - はじめまして。一気に読みました！切なくて涙が溢れましたが、最後はとても暖かくて本当作者様の表現が素晴らしいです。おつかれさまでした。 (2020年6月3日 7時) (レス) id: 461d11f3fb (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - すみません！2019年ではなく2020年です！！ (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 続きです。まだまだ気になる部分は沢山ありますし、こんなにも切なくて愛おしいラブストーリーをお書きになった主様は最高な方です。ただ、一つ要望を言うとすれば、廉くんと再び巡り合うまでの出来事を読みたい。です。笑 長文失礼しました。 (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 続きです。玄樹くんが更に80年天使を続けたのはきっと、渚ちゃんと汐音くんの成長を見届ける事と、廉くんが天使としての仕事を全うして生まれ変わって、主人公の女の子と再び巡り合うことを見届けたかったからではないかと考えています。続きます。 (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美雨 - miu -
| 作成日時：2016年1月1日 17時
