第19講 ページ19
･････････
｢…できましたよ。簡単なものですし、お口に合うかはわかりませんが。｣
ソファでただ一織くんが料理をしている姿を眺めていた私の目の前に、暖かそうな湯気を発するお椀が置かれる。
｢いい匂い…うどんだ！｣
時刻はもう午前2時半。こんな時間に炭水化物を食べてしまうのか。
でもいい。全然いい。一織くんが作ってくれた、何よりも美味しくてあったかいもの。
｢いいの…？私だけ食べて。ごめんありがとう…。｣
｢お礼はいいので冷める前に食べてください。｣
そう言いつつも一織くんの表情は優しい。
私は静かに手を合わせていただきます、と言った。
｢…美味しい…！あったかいし…一織くんありがとうほんとに…。｣
そう伝えると、一織くんは私の隣にそっと座った。
｢……あなたに、あんなことを思わせているとは…考えが及びませんでした。｣
あんなこと、って…。
私が、ぶつけた汚い感情。キスされる前に思いっきりぶつけた、必死に伝えた今までの不安で、嫉妬にまみれたそのままの言葉。
『私が…絶対1番好きだよ……一織くんのこと。』
こ、こんなことまで言って…恥ずかしすぎる。
｢あなたに嫉妬を向けられることで、私があなたを嫌いになると…本気で思ってるんですか？｣
｢っ……｣
前を向いていた一織くんが突然私と目を合わせて体を向けるから、心臓も跳ねる。
｢どうなんですか？｣
｢……いや、違う…。一織くんにどうしても、面倒かけたくなかった。それが、大きい…。｣
そう言いながらうつむく。
嫉妬して迷惑をかける私みたいな一般人か、嫉妬なんて無縁な綺麗な芸能人の方……どっちが魅力的かって、どんな小さい子でもわかる。
怖い。一織くんの気持ちを私から遠ざける全てのものが怖い。
…一織くんを好きになって、初めて気づいた。
＿＿自分がこんなにも、嫉妬して塞いでしまうくらいに、人を好きになれるんだってこと。
｢あなた、バカなんですか？｣
驚いて顔を上げるより前に、久しぶりのストレート砲がぐさりと突き刺さる。
｢なんでっ…｣
だけど、私の反論は彼の至って真剣な表情の前に消えた。
そして、しっかり両肩を掴まれる。
｢今起きている面倒事なんて、今後何十年のことを思えば些細事でしょう。｣
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アイリス(プロフ) - 毎話コメントはしていないのですが通知が来る飛んでいくんですよ😂時間があれば読み返したりして何度も楽しませてもらっています！こちらこそいつも素敵な物語をありがとうございます🙇 (2022年3月6日 22時) (
レス) @page32 id: 01923abc00 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - アイリスさん» アイリスさん！😳ご無沙汰しております😢そうですね、2人の心と天くんの心に注目して見守って頂ければと…😌今日の夜また更新予定なのでぜひまたよければ覗きに来てくださいね☺️いつも本当にありがとうございます！<(_ _*)> (2022年3月3日 11時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - こんにちは！これからどうなるんだろう…！とドキドキしました😳だけど2人の心が離れることはないと思うので、嫉妬かわいい〜と楽観的に読ませて頂きます😂 (2022年3月2日 22時) (レス) @page29 id: 01923abc00 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - monaさん» 更新するする詐欺になってしまっているのですが🥲2月半ば以降は繁忙期から解放されるのでガンガン更新していきます🙇♀️それまで宜しければお待ちください☺️コメが届いたので飛んできましたが、嬉しいお言葉有難うございました…!! (2022年1月28日 3時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - monaさん» monaさんコメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉でしょう🥲一織の口調や行動はかなり気をつけているので、そう言って頂き安心致しました…！アイナナ愛、感じてください…！☺️最近全然覗けてなくて(続きます💦) (2022年1月28日 3時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なたね | 作成日時：2021年4月29日 0時
