第三章『アリス・イン・ザ・ガーデン』【3】 ページ33
「リリイ、ご本読んでー」
「お土産ないのー?」
その姿に、真昼が目を見開き唖然とする中、ぜ――――は――――と、息を切らしながら、何とかこの場に辿り着いた御園が、開かれた扉に片腕を着きながら、呼吸を整えていると―――――。
「みその―――――今日、御園の似顔絵描いたー」
御園の元にも、お絵かきをしていた子供たちが集まってくる。
「やめろ、チビどもっ。僕は今忙しいんだっ」
それに対して御園は、か〜〜〜〜〜っと頬を赤らめると、子供たちにそう言って背を向けてしまう。―――――どうやら、照れているらしい。
「・・・・・・な・・・? なに??」
どことなく、ほのぼのとした雰囲気の漂う光景に、真昼が目を瞬かせ、首を傾げる。
すると、リリイは両手を広げて、子供たちを示しながら、真昼に答えを告げてくる。
「・・・この子達は私の
「やっぱり、そうだったのね」
―――――子供たちは全員、紅い瞳をしている。
瑠璃が微笑を浮かべると、リリイの近くに居た双子がこちらにやって来る。
「「・・・瑠璃、さっきはごめんなさい」」
「大丈夫よ、ユリーちゃん、マリーちゃん」
シュンとなった双子を瑠璃は、両腕を広げて抱きしめる。
その様子を見ながら、リリイは淡々と言葉を続ける。
「椿の勢力はまずこの子達のような下位を殺してまわっています・・・今週もわかってるだけで2人やられました」
リリイの言葉に、真昼の表情が強張る。
そして、リリイに続いて御園が口を開く。
「・・・お前はチェスを知っているか。ゲームが進むにつれて盤上からコマが減っていくだろう。そして最後にキングが残っていれば勝ちだ。・・・僕は現実でもそうであっていいとは思ってなんだよ!」
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年5月22日 18時