繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~

狂い始めた歯車 ページ34

渡辺side




それは、突然のことだった。



ピンポーン＿





『 はいは〜い、今出まーす！ごめんラウ、代わりに出てくれる？ 』

村｢ おっけ！ ｣




急に来客なんて、どうしたんだろ。樹かな？

あれ、俺もしかして卒業やばい感じ…？

なんて、笑い話にしようと思ってたのに。




村｢ しょうたくん… ｣







・







・








｢ 警察です ｣

『 あの、何か……？ 』




警察の方が数名、｢渡辺さんですね？｣と一言断りを入れて尋ねてきた。




｢ 3日前、村上ラウールくんの捜索願いが出ておりました。｢息子が居なくなった｣…と。 ｣




……息子？
俺の心は、怒りでどうかなりそうだった。


あんなにラウのこと放置して、苦しめておいて何が｢息子｣だ。

…それでそんな事言う資格あるのか？




そもそも、もうラウールをこの家に連れてきて1ヶ月以上経とうとしていた。


そんなんまで、息子が居ないことに気が付かない方が可笑しいんじゃないのか。






｢ アパートの住民から、村上さんの自宅に貴方が出入りしていると通報がありました。誘拐の容疑で、署までご同行願います。 ｣

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