5錠目:『専売特許剥奪の危機』 ページ5
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目を覚ますまで声かけるでしょ、普通!! と頬を膨らます彼女に、俺は不意に笑った。
｢折緒、眠くないの?｣
｢大事なチームメイトとお前を残して、うかうか寝てられる訳無ぇじゃん｣
｢ほへ〜、お酒飲んだのに…折緒、強いんだね〜｣
｢超強いわけじゃ無ぇけど、非常事態だから不思議と眠気も醒めるだろ｣
｢ぬあ、寝落ちちゃった私が悪いみたいじゃん!! も〜、もう1本飲んでやるぅ〜〜!!｣
｢やめとけやめとけ。A、お前自分が思ってるほど酒に強くねーって｣
んぅ〜〜と唸りながら冷蔵庫を開け、上半身を冷蔵庫内に突っ込んだ彼女は、そのまま目を閉じ二度寝しようとしていた。
熱帯夜の今日、自らの奇行には気づいていないようだ。
｢わっ、A起きろ!! ダメ!! それ一番ダメなやつ!!｣
｢うぅ〜〜……｣
完全に出来上がってしまった彼女をなんとか抱き上げ、自室のある二階のベッドへ運んだ。寝苦しいかもしれないが、脱がしてしまうと半端ではない誤解を招きそうなので、衣服はそのままにした。
ああ、俺も少し眠ろう。明日はここから直接仕事場へ向かわなければならない。
ベッド脇のソファに横になる。
体温が上がったせいか、俺の身体には充分アルコールが巡ったみたいだ。
｢おりお、おきてる……?｣
俺が眠りに落ちる寸前、寝たはずのAの声がする。
｢ん、どした? 水でも飲むか?｣
その後、何秒間かの沈黙が生まれる。寝言だろうか、もどかしいな。
もぞ、とシーツと布団が擦れる音がした。
｢ありがと……、ね｣
｢……おう｣
その声が響いた後、部屋は再び静寂を取り戻し、規則正しい寝息が聞こえる。
彼女のこういう不意打ちが、10年前から俺の心拍数と呼吸を乱れさせる。
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AM6:30
｢2時間睡眠きっつ｣
暑かったのか、放り出した毛布をAへ掛け直し、あらかじめ纏めて置いた荷物を一階へと持って行き、適当に身支度をする。
｢食パンにサラダにスクランブルエッグ……ん、俺にしては悪くねえ｣
冷蔵庫にあった材料で自分の分も含めた3人分の朝食を用意する。
2人の分はラップをかけ冷蔵庫へ戻し、適当にメモ書きも残した。
ここから俺の職場はそう遠くは無い。正直、走ってでも行ける距離だ。
いざという時に、俺という人間は存在している。ここで体力を使うには勿体無いと改め直した。
捧げる人は、10年前から決まっていた。
｢じゃ、行ってきます｣
返事の無い部屋に、俺はそう呟いた。
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6錠目:『ルーティンとジンクスは全く違う』→←4錠目:『ほろ酔いとロゼワイン』
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星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月8日 11時) (
レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - ゆりりんさん» わ〜!! 勢いある挨拶ありがとうございます〜^^ ちまちま更新していきますので気長にお待ち頂けると幸いです (2021年2月2日 1時) (レス) id: f96d68692e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - まず最初に…好き!!（挨拶）続きが読みたくてたまらないです！ (2021年2月1日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 棘水さん» 了解です！また何かあったら声掛けますんで、これからも更新頑張って下さい！！ (2019年4月9日 15時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!! が、合作イベント....!!大変魅力的で参加したい気持ちは山々なのですが私生活の多忙や内容が合作内容が全く分からず他の皆様にご迷惑をかける可能性しかないので今回は辞退させて頂きたく思います....また機会がありましたら是非....!! (2019年4月8日 22時) (レス) id: c7cb6e701d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棘水 | 作成日時：2018年7月20日 13時
