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『…じゃあどうして「彼氏のスペック」
『スペック…』
「お前は顔が良すぎる!それでいて秀才、スポーツ万能、金持ち、家柄良し、性格良し、スタイル良しっ…なんでも持ってやがる!!!」
『いや最後の方めんどくさくなってません?』
「だから手放したくないんだよ
元々はお互い好き同士だったかもしんないよ?けど段々、岩ちゃんの彼女ってポジションに満足してそれ以上を求める」
『欲が出た、ってやつですか?』
「まぁ岩ちゃんを利用して自分のステータスを上げる女なんか岩ちゃんには似合わないよ」
付き合ってる女をズタズタに言われても悲しくもならなかった。
正直もう潮時かな…とは思ってたけどこれ聞いてからますます別れにくい状況が明らかとなった
ジャケットを手に取り、吸っていた煙草を灰皿に擦り潰す様子を見て直人さんが外回りに行くのがわかった
俺は直人さんより15分あとに休憩に入った為、まだ出なくてもいい。休憩室の椅子に腰深く座って動こうともしない俺に直人さんは「まぁ要領良く、な?」
と相変わらずの笑顔をみせた
何故か胸に引っかかるような感触がして
問題に答えたのに正解を教えてもらえないような、気持ち悪さが残った思いのまま今の気持ちをぶつけた
「あの、直人さん」
『ん?』
「俺に…その、俺に似合う女性ってどんな人だと思いますか?」
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『ん〜?そうだな…
その、ラインの子とかいんじゃない?
最近、やたら連絡とってるでしょ
相手、女の子なんてもろバレだから』
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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時