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「隼」



『ぉ、おおっ…』

「悪い、結構かかって」

『いや…そんなには待ってない』






付き合いたてのカップルみたいかよって心の中で突っ込みながら玲於の後について店に入る






予想通り玲於は個室を予約してくれており、外見からでもわかったけど中は更に洒落てるって店内を見回す俺は今とんでもなく、ダセェ






「なにしてんの」


『え?いやぁ、』





先に座った玲於が部屋の入口に立つ俺を見上げて不審がるような顔してキャップをとった




上座、譲ってくれてんのかなぁ…

とか常に考え事しながら、あらわになった玲於の顔をしっかり見たのはその時だった






同い年だけど、こっちは社会人だし、俺が色々決めなきゃってメニューに手をかけたらいくつかあったそれが滑って






「隼、大丈夫かよ」

『大丈夫大丈夫』

「それデザート。まず飲みもんから決めよ」







焦ってんのバレバレ
だからダサいって、俺。






「決めた?」
『あーうん。玲於は?』

「ん、もうちょっと」






自分と同じ金色の、前髪の隙間から少しだけ見えた瞳が次の瞬間、俺の視線を掴んだ







「焦ってんの?」

『…うん』

「なんで?」

『だって俺、もう社会人だし』

「だから?」






俺なに素直に答えちゃってんだろ、、、
恥ずかしいの欠片もねぇのかよ






『社会人と学生じゃ、ちょっと違うじゃん』

「そんなの関係なくね」








そこでようやく玲於からの疑問形攻撃は止んだ







俺、何が欲しかったんだろ
なんて言葉かけてもらえば…








「社会人だからって別に金とか全然割り勘でいいし、てかそんなん気にする奴になったの?」


『一応っ、社会経験積んでますから!』


「間違った経験積むなよ」








なんだよ……玲於のが先輩みたいじゃん(笑)






「お待たせしましたー。
生1つと、コーラのお客様ーー」





丁度その時、頼んだ飲み物がとどいて乾杯をしたけれど




俺も背伸びしずにコーラ、頼めばよかったなぁ。なんて

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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時

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