あの子に伝言〈玲×剛〉 (ページ44)

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雨の日が続く6月

本格的に梅雨入りした今日も
いつもと変わらず仕事に向かう道は傘をさす人で溢れていて、電車も嫌だけど歩きも相当嫌になる

タイミング悪く赤信号でとまった足

車道を走る車の水がかかるのを避けるためにいつもより少し後ろに下がった

つまんねぇなと欠伸をしながら、溜まった通知の中から「茉由」のアイコンを探し出す

______今日は遅くなる

それだけ送ってその下の「玲於」にも返信する

あの後、悩んだ末に玲於の誘いを受けた

話があるって玲於の方から言ってくることは稀すぎて何か重大なことでもあるんじゃないかって思って

いつまでも逃げてるだけじゃダメな気がした

仕事場に着き、作業着に着替えて再度スマホを確認したら店のURLが一つ、それだけ

あいつらしいな

って思いながら場所を確認して静かに腹を括った

『小森ー、集合かかってんぞー』

班長に急かされながらロッカーの鍵を閉め、得意の笑顔で遅刻したことを誤魔化した

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8時間後_______________

昼に受け取ったURLが示す店に先に着いたのは俺の方だった

店まで指定してもらって、予約でもしてたら入りにくいなと思い、とりあえず店の前に立った

玲於からはさっき『悪い、渋滞してて少し遅れる』ってきたし、気長に待つことにした

渋滞ってあいつ車で来るのかな。俺の知ってる限り玲於は大学に進学してダンスも続けてるらしい

学生で車持ってたらいい方だし、反対に今でも職場まで徒歩通勤できる範囲に家借りてる俺がダセェって単純に思った