あの子に伝言〈玲×剛〉 (ページ39)

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『俺、ちょっと今報われたんだ、Aが玲於に告白してたこと聞いて』

「どうして？」

『俺のせいで、告白する理由を無くしちゃったから』

「ずっと気にしてたの？」

『…まぁ。だって本当なら付き合ってたかもしれない二人を引き裂いちゃったのは事実だし。それも俺の勝手な嘘で』

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『ごめんね。好きだったんだ________』

「…え？今サラッと」

『だから、好きだったんだよ、俺が』

「え？」

『Aのこと、玲於にとられるのが嫌で焦ってどうにかして阻止したかった』

『そんなことしても無駄だったけど…だからごめん。謝っても謝りきれないけどごめん。』

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告白まじりの「ごめん」はこっちまで胸が痛くなってその後は何も話さなかった

玲於くんと話さなくなったいつしかの隼と同じように、私達もそこから全く関わらなくなった

そこで初めて

隼が言った無責任だって事を実感したんだ

気持ちを伝えてくれた人に自分はなにを返せるんだろう。だってあっちはもう最初からゼロに近い可能性で想いを伝えてくれているのに

それをどうしろ、なんて無理な話だ

無気力な体を必死に保って

けれど自分は変えられなかった

また同じ失敗を繰り返して
岩田先輩に言い逃げも同然の行為をした

隼は

私が振られたことを知らなければ

今こんな関係になってることも信じられないだろう

どんどん顔向けできないような自分になっていく現状にも浸っているのに、それ以上に溝を埋める微かな幸せにしがみついていたいが為に

先輩とのLINEはまだ続けているから

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