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泥酔 ページ31

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________同日、とある居酒屋






最近買ったばかりの腕時計に目をやると23時をまわっていた








「まだ早いかー」
『は!?何言うか!もう11時過ぎやぞ』



「もう一軒行きましょうよ」

『お前呑み過ぎ』
『誰かー、ついてってやって』
『いやっすよ、』
『てかこいつ、まだ未成年っすよね
どんだけ酒強いんだよ』


『いや、それは間違い。
好きなだけで強くはないはず――





っておい!寝るな!






起きろ、隼―――――っ!』』








騒がしい店内に飛び交う数人の男どもの声

明日は休みだし思う存分呑みまくって
できればずっとこの幸せな気分に浸ってたい…








そんな俺のちっぽけな願いも虚しく、仕事場の先輩に叩き起こされるという現実。







「もー痛いっすよー!起きてますって!」
『嘘つけ!お前一瞬寝てたろ!』







こんな隔たりなく会話できるのもこの職場だからこその利点だと思ってる






『ほら、もうお前はこれ以上呑むな』
「えーまだいいじゃないっすか〜」


『歳も歳や。捕まる前にとっとと帰れぃ!』





実際、まだ俺は19という歳で法的にいったらこの状況が見つかったらヤバい

そんなこと了承の上でいつも呑みの席に合流させてもらってるのに今日はなぜか冷たい






「あと一ヶ月のことっすよ〜」
『その一ヶ月でお前のその酒癖どうにかしろ』


『ほら、それに店の外で迎え待ってんぞ!』








そこでやっと気付いた






俺が呼んだにも関わらずもう何分も外で待たせてしまっているその子のことを









.









「あのっ…これ飯代っ、」
『いいよ、いつも俺が払ってんだろ』


焦る俺に差し出した金を財布へ戻すように仕草する先輩に礼を言い、急ぎ足で出口へ向かった





「隼、ちゃんと靴履いてから行け。

それと大事にしろよー?あんないい子」







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“あんないい子”








先輩が言ったのは真っ当なフレーズだ
彼女の茉由はすごくいい子


ほんと、俺にはもったいないくらい







「隼くん、帰ろう?」

「ほんっっっとにごめん!」





彼女がこうやって迎えに来て俺が謝って「全然いいのに」って許してくれる


毎回のことでその度申し訳なくなるのに、また同じこと繰り返してて情けないな俺…


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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時

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