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「お前、またやったんか！」
静かな城下町。
そこを抜けた軍基地の医療棟で、叫ぶように医務室に入ってきたのは若き陸軍大臣だった。
「コネシマ、ここ医務室。静かに」
「ええやん。今、怪我人おらんやろ」
陸軍大臣、もといコネシマと呼ばれた男は、軍医に文句を言いつつ、先ほどお前、と叫んだ人物に視線を向けた。
そこにはベッドに寝かされ、曇った顔をしている青年の姿があった。
空色の、ふんわりした髪型をした青年だった。
「なぁ、チーノ！ ロボロから聞いたで。
また無理矢理戦争についていったんやろ！」
「うるさいでーす。けが人に優しくなーい」
チーノ、と呼ばれたその青年は、コネシマと視線を合わせず言葉を返した。
対してコネシマはそれに怒ることなく口を開けて笑っている。
医務室にはかなり迷惑な声量だった。
チーノはベッドに横になっていたが、既に処置済みであったのか、目立った外傷は見当たらない。
軍医は道具の手入れをしていた。
「で、これからグルッペンに怒られにいってくるんやろ？」
「え、まさか陸軍大臣、変わってくれるんですか？」
「なんでやねん！ 俺はただお前の話を聞いて顔を見にきただけやわ」
「暇かよ。仕事しろ」
チーノはコネシマに睨むような視線を送った。
コネシマは気にしないというような、ニヤついた顔で寝ているチーノを見下ろしている。
軍医がやれやれ、と両手を挙げている時も、コネシマは話を続けた。
しかし今度の表情は至ってふざけたものではなかった。
「ま、何度も言うけどな。
あんま心配かけるのはよくないで。そもそもお前は軍所属じゃないやろ」
「俺だって戦えますぅ」
「この結果で言うんかぁ？
言っとくけどな、俺はお前の軍入りは認めとらんからな」
「……すみませんでした」
「その謝罪の深さが、次の行動の結果やからな。忘れんなよ」
コネシマはそれだけ話して医務室を出て行った。
うるさく登場したわりには、去り姿は至って静かである。
軍医が彼の背中を見送る間、チーノだけは視線を向けずに天井を見つめていた。
「結局説教するんかい……」
――お前の軍入りを認めない
コネシマに言われた言葉を思い出す。
グッと歯の奥に力を入れた。
「分かってるわ。何度も言わんといて」
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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます！最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (
レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、？あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
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