エイジ ページ15
「だって、幸せだと思ったらそのときに言わないと。共有したくない?やっぱり」
「なんでそんなこと急に? 引っ越すの?」
「引っ越さないけど」
「ふぅん…」
「ええ、なんか不安になるなぁ。」
「なに?」
「エイジは、あたしのこと好きじゃないの?」
明るくなった部屋でエイジを見上げるAの瞳はまるで子供のように、はたまた針のようにまっすぐだった。あんまりに歪みのないな言葉と視線に彼は視線を右、左と避け、また彼女をみた。彼女はまだ、エイジの困り顔になった三白眼を、じっと見つめたままだった。
「そんな、ふつう、友達相手に好き好き言わないだろ」
「好きって思ってても?」
「思ってても」
「あ、やっぱ思ってるんだ?」
「……もぉ〜……どういうつもりなの?」
今度こそエイジは顔を赤らめてしゃがんでしまった。太陽に照らされた赤髪と同じくらいに耳は赤らんでいる。ふふ、と笑うAはまだ物足りない顔をしていたが、そんな反応を見て妥協だけはするらしい。
だって、本当は確認なんてしなくても、知っているのだ。幸せでないはずがない。好きでないはずがない。
エイジは、いつまでだって続いてほしいくらい心地いいこの時間を、窓越しのセミの声だけが聞こえるくだらない時間を、言葉に出すのも恥ずかしいくらいに、当たり前に愛している。
それをわかっていて、Aはただ、普段飄々としているエイジの、困った顔が見たかっただけであって。
何をする時間でなくたってただ一緒にいられることが幸せだなんて、美しすぎて、笑っちゃう、なんてエイジは心の中で思っていた。
「そろそろ窓閉めてよ、暑いんだけど」
「俺も、暑くて顔赤くなった」
「テレ屋さんめ」
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フェザー - 夢主とアバのみんなが喧嘩して4対1になって暴言を吐かれてからのあまあまな仲直りが見たいです! (2018年1月24日 21時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
たちょらー(プロフ) - エイジさんか、ツリメさんでほのぼのしたにちじょうふうけいみたいなやつをお願いします! (2017年10月17日 1時) (レス) id: f9c589a444 (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - いつも楽しんで読んでいます!アバのうち誰かが風邪ひいて夢主ちゃんが看病、治ったと思ったら夢主ちゃんが風邪ひいちゃってアバのみんなから看病してもらう、みたいなのが読みたいです!!分かりづらいかもですがお願いします♪ (2017年10月15日 9時) (レス) id: f79d1c3388 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:出井です | 作成日時:2017年10月7日 15時