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〜〜〜




「Aちゃん、…この間はごめんね?」




陽菜ちゃんの家から2人で揃って登校すると、既に教室に居た凛花ちゃんが、私を見つけてそう言った。

陽菜ちゃんにはもう何もかもすっかり話してしまって解決したと思っていたけど、…そうだ、まだ、凛花ちゃんとのことがあったんだ。




「あの後やっぱり直接いかなきゃなって思って…
ねぇ、ちょっと聞いてくれる? 陽菜ちゃんも!」

「え、私もいいの?…や、聞くの忘れてたけど
そもそも、ここ2人はどういう繋がりなの?」




と、密かに身構えたのも、ほんの一瞬だった。

朝からテンション高めでやっぱり口がよく回る凛花ちゃんと、状況が掴み切れず困惑した様子の陽菜ちゃんと、どっちにどう返せばいいか迷って結局黙る私。




「田中くんにね、ちゃんと、連絡先教えてって
ちゃんと面と向かって聞きにいったの!なのに…」

「え、なに、田中?樹?」

「仲良くないからやだ、とか言われちゃって」

「え、田中樹?」

「仲良くなりたいから、樹くんって呼んでもいい?
って言ったら、それもだめって言われて…」

「…え、アイツそんなこと言うの?」

「…あんまり冷たいから、嫌になっちゃった」

「それは、なんて言うか…」




凛花ちゃんの秘密はどうやらもう秘密じゃなくなったらしく、ハテナマークを飛ばし続ける陽菜ちゃんにもお構いなしに、話し続ける凛花ちゃん。

2人はこれまで関わりがなかったはずなのに、なんだか上手く噛み合っているように見えて、それどころじゃないのに、なんだか面白くなってきてしまって。




「でね、ここからが本題なんだけどね」

『…え、本題?』

「今の本題じゃなかったんだ…」

「いつも行くコンビニの新しいバイトの人が、
すごくかっこよくて、一目惚れしちゃったの!」

「……恋多き女恐るべし、」




陽菜ちゃんも私も、よく分からないまま笑い出してしまって。私たちがどうして笑っているのか分からないらしかった凛花ちゃんも、結局つられて笑っていた。




「私は私をお姫様扱いしてくれる人が好きなの」

「…うん、そこまでいくといっそ清々しいわ」




そしてその日は3人で一緒に弁当を食べることになって、なんだかんだで気づいたら仲良くなっていた。

女の子の友情は、やっぱり難しくて、未だに全然よく分からないけど、仲良くなること自体は、思っていたよりも難しいことじゃないらしかった。




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作者名:春野菜 | 作成日時:2020年7月23日 20時

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