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遠足の班決めの時間。本来こういう行事は、新しい親交を深めるためのものなのだろうけど、冒険心の無い私は当たり前のように陽菜ちゃんの元へ。
『陽菜ちゃん、班…』
「あれ、…私とでいいの？」
『え、どうして？陽菜ちゃん以外いないよ、』
「…ふふ、仕方ないなぁ」
悩みの相談は、まだ出来ていない。
北斗くんのおかげで、自分の中で整理がついたら聞いてもらおう、と思えるところまではきたものの。
どう切り出したらいいのかとか、そもそも何をどこまで話せばいいのかとか、時間が空いたせいで却って言い出しづらくなってしまっていた。
「陽菜、A、俺も」
「えぇ、慎太郎〜？どうしよっかな…」
「なんでだよ入れてよ！」
「俺も入れて〜」
「俺も！」
「え、待ってこれ何人編成なの？」
「知らね、AHAHA！」
１班８人もしくは９人で、ということで。
探す間もなく、好き勝手喋りながら現れた楽しげな６人組の登場により、とりあえず頭数が揃った。
「楽しそうだけど、女の子が足りなさすぎない？」
『陽菜ちゃんのお友達は？』
「それぞれグループ出来上がっちゃってるから…」
『それは、…困っちゃったね』
「まあいいんじゃないもう、面倒くさい」
他のどのグループも文句無くすんなり決まっていたようで、結局私たちも、男女比には若干の不公平感を覚えつつ、８人組で決定した。
正直私には、まだ話したことのない人との団体行動はハードルが高すぎたから、安心したところもある。
「全然いいんだけど食事が不安」
「あ、でも北斗料理得意だよ」
「そうなの？じゃあ料理担当３人確保」
遠足当日の大まかな予定は、キャンプ場でのバーベキューと、自然公園での自由行動。
実はそんなに乗り気ではなかったんだけど、陽菜ちゃんもみんなも楽しみにしているみたいだったから、つられて少しだけ、わくわくしてきた。
我ながら単純な思考回路をしているらしい。
「今度一緒に服買いに行こ」
『うん、行きたい！』
〜〜〜
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作者名：春野菜
| 作成日時：2020年7月23日 20時
