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「あ、慎太郎!何組だった?」
「3組!そっちは?」
「うそ、一緒!」
こっちに向かって跳ねるように軽やかに走ってくるのは、もう1人の幼馴染、慎ちゃん。
『慎ちゃんも一緒なんだ、嬉しい』
「ここが揃っちゃうとAに新しい友達が…」
「俺か陽菜どっちかいるならいいじゃん」
「…それは、そうだけど」
この2人はご近所さんで、幼稚園の頃からの長い付き合いになる。その頃から私は、明るくて社交性のある2人の後ろに隠れるように、少々盛り上がりには欠けるような人生を送ってきた。
もちろん、不満は一切ない。人と関わるのは昔も今も変わらず苦手だから、人間関係はごく狭く深く、静かに過ごしていければ、それで満足。
「でも、Aは仲良くなればちゃんと話せるんだから、陽菜みたいにもっと積極的にいけばいいのに」
『…いいの、私はこのままで』
慎ちゃんも陽菜ちゃんも友達の少ない私をいつも心配するけれど、私は2人さえいてくれればそれでいい。
もし2人に新しい友達が出来て私から離れていってしまっても、それならそれで、1人で過ごせばいいだけのこと。もともと1人には、慣れてるから。
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作者名:春野菜 | 作成日時:2020年7月23日 20時