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ある金曜日の放課後。慎ちゃんは部活で、陽菜ちゃんは委員会で学校に残ることになったらしく、今日は1人きりの帰り道。賑やかな時間が増えたせいで、ほんの少し寂しいかも、なんて思いながら歩いていた。
「Aちゃん、待って」
すると後ろから、誰かの走る足音と、私の名前。
『…あ、北斗くん、…部活は?』
「俺、帰宅部だから」
『そうなんだ、一緒だね』
私に何か言いたそうにしているな、と思いつつ、それが何かわからないから私からきっかけを出すことは出来なくて、やっぱり2人揃って黙り込む。もしかしたら北斗くんも、あまり会話が得意じゃないのかも。
陽菜ちゃんとも慎ちゃんとも違う、慣れない男の子の大きい歩幅。北斗くんは歩くのがとてもはやくて、少しずつ距離が出来てしまって、着いて行くために慌てたせいで何も無いのにつまづいてしまった。
『わ!』
「っ危な!」
『あ、ごめんなさい…』
「いやごめん、俺のせい」
歩くの早いってよく言われるから、と何故か落ち込む北斗くん。腕を掴んで支えてくれているんだけど、どうしてもこの体制が恥ずかしくて。
『…、…あの』
「あ、ごめん」
声をかければすぐに離してくれたけど、なんだか、掴まれたところから熱を発してるんじゃないかってくらい、熱くて、顔まで赤くなってしまっているような気がして。誤魔化すように歩き出す。
「あのさ!」
『え?』
「これ、この前の本と、…おまけ」
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作者名:春野菜 | 作成日時:2020年7月23日 20時