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幼馴染２人の力添えもあって、今までとは全く違う幕開けになったクラス。新しく話しかけてきてくれる子もちらほらいて。少しずつ休み時間が楽しみになっている自分が不思議だった。
「ねえ、Aちゃんは何委員やるの？」
『…えっと、図書委員がいいなって』
そして、樹くんは相変わらず、隣りの席だからなのか何なのか、ことあるごとに私に話しかけてくれて。私も日が経つにつれて少しずつ慣れてきて、緊張しないでいられるようになった。
樹くんは、初めに感じたよりも怖い人じゃなくて、気配り上手の優しい人だった。…とはいえ、まだチャラいイメージが払拭できていないから、接し方は掴み切れていないけど。
話が上手だからつい聞き入ってしまって、２人揃って先生の話を聞きそびれることも少なくなかった。
「あ、ほら図書委員、手ぇ挙げなきゃ！」
そして今もまた。話に夢中になっているうちに、気づけば司会の子が、図書委員を希望する人、と言っている。樹くんに促されて慌てて手を挙げる。
「戸田さんと、樹と、…北斗ね、」
驚いて隣を見ると、楽しそうな顔の樹くん。そしてあの、松村北斗くんも手を挙げていた。
「男女１人ずつだから、樹と北斗、じゃんけん」
松村くんは樹くんを見てちょっと驚いたような顔をした。変なポーズをとりながらやる気満々の樹くんに対して、松村くんは、…やっぱり何を考えているのかよく分からない人だな、と思った。そして樹くんも、図書委員だなんて、意外。
じゃんけんは何故かそこそこの盛り上がりを見せて、何度かの攻防の末。
「じゃあ図書委員は、戸田さんと、北斗で」
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作者名：春野菜
| 作成日時：2020年7月23日 20時
