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犬は逃げる素振りを見せずにこちらをじっと見ているだけだった。
近づいてしゃがみ込み、庇っているであろう右の後ろ足を「触るね」と声を掛けてから触れるとなんだか熱を持って腫れているような気がした。
獣医では無いのであくまで”気がした”だけなのだが。
「腫れてるっぽいね。ここが痛いんだ？」
「…ワフッ」
この頃には犬と会話ができてるかもしれないなんて事は頭から抜けていて、ただこの子が心配ということしか考えていなかった。
「えぇ…こういう時ってどうしたらいいんだろうね？人間と同じで冷やしたら良いのかな？でも寒いもんねえ」
触れた時思ったが、この子は短毛らしい。
そんな防寒対策ができてない子に氷を与えてしまったらかわいそうだ。
実際、先ほどまで走っていてかいた汗が冷えてきたのか少し震えているように見える。
「私いっぱい着てて、歩いたら暑くなってきちゃったからこれあげるね」
本当にマフラーしてきて正解だったな。
どうせこの冬を超えたら捨てるものだしこの子のために汚れても大いに構わない。
さて、これで少しは寒さを緩和してあげられるけどこの足はどうしよう。
そもそも、この子はどこの子なのだろう。ちゃんと帰れるのだろうか。
そんな不安がたくさん積もって遂に私は行動を起こした。
「今日はもう走るの終わりにして私のお家に行こう。ここからすぐだから。」
犬は目を見開いて驚いていた。
そして逃げようとしたが私のお節介がそうはさせなかった。
予備動作の時点でがっしり体を抱きしめ”明日になったら一緒にご主人様のところに行ってあげるから”と半ば誘拐の形で家に連れて帰った。
ちなみに余談だが、そのまま抱き抱えようとしたら重すぎて持ち上がらなかった。
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でででちゃん(プロフ) - KiiiiLAさん» ありがとうございます！完成までお楽しみください。 (2022年4月2日 10時) (
レス) id: 66ca21e792 (このIDを非表示/違反報告)
KiiiiLA(プロフ) - ひかるくんが犬！ 想像しただけで可愛いです！ 物語楽しみにしています^_^ (2022年3月30日 22時) (レス) @page30 id: f5fdf1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でででちゃん | 作成日時：2022年3月19日 23時
