94.『昏迷紛擾 その弍』 ページ49
「プライバシーの、侵害だろ!勝手に撮ってんじゃねえ!」
私のスマホを取り上げようと手を伸ばす彼らに、さっさとバックへと仕舞った。これを取れば、窃盗罪になると告げれば、彼らは動きを止めた。実際の犯罪者になるのは怖いらしい。よしよし懸命だ。
「それと、勝手に写真を撮ること事態は、肖像権の侵害であり、民法709条に違反している結果、損害賠償請求することができる──まぁ、撮っていないけど。だが」
だから引っかからないよと告げる。まあ、脅迫罪にはなるかもしれないが、状況的に悪いとされるのは彼らだ。
口からスラスラと出てくる言葉。恐怖などそこには無かった。
「君たちのやっていることは、死人が出る可能性だってある!現にこの状況をきちんと見るんだ」
彼らとは別の意味で、混沌と化した道路を指差す。玉突き事故が起き、転んでいる人だっているし、人身事故も見えた。警察の他に、救急車も呼んだが、この状況下だ、どのくらい掛かるだろうか。
「君たちは多くの人間を傷つけることをしたんだ。
──それでも尚、関係ないと言えるか?」
彼らの眼を見つめる。ヒールで盛っている分、私のほうが身長は高い。見下ろされる形になっている彼らは、わなわなと震えていた。
「っ、悪いのは、今この状況を作ってる犯人で、捕まえることのできてない、警察だろ!俺達のせいじゃない!」
警察のせいだと、棚上げをする。ああ、若いなと瞬間的に思った。
腕を思いっきり振り払われる。数歩後ろへとよろめいた。少年達は顔を真っ赤にして感情を昂ぶらせていた。逆上させてしまったらしい。どこの世界も似たようなものだ。少年達は、そのまま手に持ったまだ残りある癇癪玉を振りかぶった。
「え──」
癇癪玉は小さく威力は低いとはいえ、火薬が入っている。いや、絶体、痛いよな。流石に恐怖を覚えた。
避けようと、後ろへと避けようとして──慌てすぎた。よろめき、ヒールがずれた。
迫るソレに少しでも顔を守ろうと、腕で覆った。
「──こんな危ないものを人に投げてはいけませんよ」
act.3へ続く→
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黒井蜜柑(プロフ) - 花枝さん» ありがとうございます!本当に、長らくお待たせしてすいません!週一掲載で続けていけたらいいなと思っていますので、なるべく終了まで更新停滞がないようにがんばります! (2021年5月24日 14時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
花枝 - お待ちしておりました!おかえりなさい、これからも応援しています! (2021年5月23日 23時) (レス) id: 43f2320b1e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - きゃろさん» すいません、長らくおまたせしました!本当に更新停滞気味が多くてすいません。なるべく早くは続きを挙げたいと思いますのでもう暫くお待ちください。 (2021年4月29日 7時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
きゃろ(プロフ) - おかえりなさいです!続きが更新されてるのが嬉しくて感想を書いてしまいました!続き楽しみにしています。 (2021年4月29日 2時) (レス) id: d6911c13cc (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - 藤崎さん» 全然大丈夫です!期待に添えれるように、頑張っていきます。本当ゆっくりし過ぎですいません。 (2019年3月22日 23時) (レス) id: 16fd2908cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時:2019年2月14日 16時