85.『異次元の謎の幕が上がる』 ページ40
東都ベルツリー狙撃事件。大々的にニュースに取り上げられた不動産会社の社長。まぁ、あまり良い噂は聞かないが、これは、みていいだろう。と、いうか、これで間違っていたら、私の方が泣きたくなる。
「……異次元の
私はノートパソコンの前で肘をつき、頭を項垂れながらも、ネットニュースを眺める。犯人も覚えているし、これからの展開なんてよく覚えている。だって、衝撃だったじゃないか、最後のあのワンシーン。
まあ、そのラストシーンの前に、沖矢の正体を同級生にネタバレされたんだけどな。あいつ絶対許さん。一時期コナンから離れていた時期だったから、DVDで映画を見たのだ。懐かしいが、衝撃が半分になった。
話が脱線したが、一先ず、いつも通り私は過ごすだけだ。そう変わりはない。それでも脳裏によぎるのは、薄茶色のひらひらとしたツインテールだ。
「……愛梨が巻き込まれないといいが」
ネットニュースを流し読みしながら、私はただそれを不安げに考えてしまう。どうして彼女にそこまで庇護欲を駆られてしまうのかは不明ではあるが、それでも。
──私は、先生に弟子入りをしたんです!
泣きそうな顔が浮かぶ。ああ、本当に私は、どうしようもない。柄もなく、あの娘の師匠でいることに満更でもないのだ。随分と絆されてしまった。
「……バカだな、私も」
そう呆れて笑ってしまえるほどに、ただ。キーボードに触れた手を額へと持っていった。それでも、私は変えない。
──ぶらりと宙に浮かんでいる足。
脳裏に過る記憶を振り払う。そう、あの時決めたのだ。
「……ポアロへ行くか」
ゆっくりと立ち上がると、ノートパソコンをいつものバックへと入れこんだ。貴重品も忘れずに入れてしまえば、準備OKだ。
もう慣れてしまったヒールを履いて、オンボロの扉を開ける。
もはや、ルーティーンヘと化してしまって、なんだかんだでポアロに行く回数が増えてしまった。そのたびに安室のあの顔を見るのだから、なんとも言えない気持ちになる。
「いってきます」
誰もいない部屋にそう声をかけて、バタンと扉を閉める。戸締まりは忘れない。
──そう、決めたのだ。
私は、ドアノブから手を離した。古い家が、私を見送った。
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お久しぶりです。緋弾見てきました。アッ死ぬッって思いました。異次元の狙撃手編に入ったんですが、一週間に一話みたいな感じになるかもしれません。その時はごめんなさい。
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黒井蜜柑(プロフ) - 花枝さん» ありがとうございます!本当に、長らくお待たせしてすいません!週一掲載で続けていけたらいいなと思っていますので、なるべく終了まで更新停滞がないようにがんばります! (2021年5月24日 14時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
花枝 - お待ちしておりました!おかえりなさい、これからも応援しています! (2021年5月23日 23時) (レス) id: 43f2320b1e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - きゃろさん» すいません、長らくおまたせしました!本当に更新停滞気味が多くてすいません。なるべく早くは続きを挙げたいと思いますのでもう暫くお待ちください。 (2021年4月29日 7時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
きゃろ(プロフ) - おかえりなさいです!続きが更新されてるのが嬉しくて感想を書いてしまいました!続き楽しみにしています。 (2021年4月29日 2時) (レス) id: d6911c13cc (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - 藤崎さん» 全然大丈夫です!期待に添えれるように、頑張っていきます。本当ゆっくりし過ぎですいません。 (2019年3月22日 23時) (レス) id: 16fd2908cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時:2019年2月14日 16時