82.『転生作家とお化け屋敷 其の弐』 ページ37
そこから先に進んでいくと、件のクレヨンの落ちている部屋へとやってきた。その間に只管間接的な恐怖を与えられてきた。
愛梨や安室は驚くことなく、というか怖がることなく淡々としていた。
「海月先生、凄いですね、全然いつもと変わらないじゃないですか。私なんて心臓バクバクですよ」
嘘つけと、心の中でツッコんで、部屋に入ると、壁が真っ赤だった。よく見てみると、ごめんなさい、だしてと拙い文字で埋め尽くされていた。想像はしていた。予想はしていた。現実で見ると、結構クるな。
バタリと、ひとりでにドアが閉じた。
「せ、先生、安室さん、あれ……」
愛梨が目の前の壁を指差した。
そこには、「僕を忘れないで」と、さっきまで書かれていなかった文字がデカデカと描かれていた。
空気との温度差で浮かび上がるようなインクを使ったんだな！分かるけど、早く逃げたい！
「愛梨さん、海月先生。鍵が閉まってるみたいですよ」
知ってるよ、お約束の展開じゃないか！
淡々と事務報告をしてきた安室に若干尊敬を抱きつつ、冷房がまた一段下がったのを感じた。
――泣き声が聞こえた。
愛梨の戸惑う声が横から聞こえた。私の袖を引っ張ってきた。いや、頼るなら後ろのやつにしてくれ。
声が近くなった。彼女に勧められるがまま、その光景を見てしまった。身体が、硬直した。
「どうしました？」
安室が私の後ろから覗き込む。
子供が、そこに、立っていた。そういう仕掛けだったのだろう、先程までいなかった少年が、そこにはいて。
「ぼくをわすれないで」
何故か裏返ったような声だった。素晴らしい演出だった、だが、分かっていても、身体は正直だ。見事に硬直して、詰んだ。
愛梨が、悲鳴を上げた。
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黒井蜜柑(プロフ) - 花枝さん» ありがとうございます！本当に、長らくお待たせしてすいません！週一掲載で続けていけたらいいなと思っていますので、なるべく終了まで更新停滞がないようにがんばります！ (2021年5月24日 14時) (
レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
花枝 - お待ちしておりました！おかえりなさい、これからも応援しています！ (2021年5月23日 23時) (レス) id: 43f2320b1e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - きゃろさん» すいません、長らくおまたせしました！本当に更新停滞気味が多くてすいません。なるべく早くは続きを挙げたいと思いますのでもう暫くお待ちください。 (2021年4月29日 7時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
きゃろ(プロフ) - おかえりなさいです！続きが更新されてるのが嬉しくて感想を書いてしまいました！続き楽しみにしています。 (2021年4月29日 2時) (レス) id: d6911c13cc (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - 藤崎さん» 全然大丈夫です！期待に添えれるように、頑張っていきます。本当ゆっくりし過ぎですいません。 (2019年3月22日 23時) (レス) id: 16fd2908cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2019年2月14日 16時
