【名探偵コナン】転生作家の心得 Act.2

81.『転生作家とお化け屋敷』 ページ36

"君は少年の無念を受け止めれるか"

少年の無念渦巻く家と銘打ったお化け屋敷を前に、既に白旗を上げたくなった。


当日、揃ってやってきた私達は早速その敵陣(私にとっては)に乗り込もうとしていた。

「楽しみですね！」

何故、愛梨はそんなに燥いでいられるのだろうかと心底理解できなかった。

「大丈夫ですか、海月先生。どことなしか、顔色が悪いような」

安室が私を心配そうに伺う。ぶっちゃけ、すぐに逃げたいよ？でもな、でもなの話なのだ。ここまで愛梨に持ち上げられてしまったら大人として逃げられないのだ。大丈夫だと返して、順番が来たので入っていく。

入った当初は明るかった。しかし、玄関から上がった刹那に証明が落ちた。ちなみに、懐中電灯は持たされていない。

実は、謎解きも少し入っているそうで、先に進むためのアイテムは自分で見つけなければならないらしい。それで、愛梨は私達を誘ったというわけだ。

赤いクレヨンが、少年のいる部屋への道標なのだそう。

照明が落ちた刹那に、夜目が何となく聞く安室はさっさと動いているらしい。携帯をさっと取り出した私と安室は、棚や壁を探ることになった。

靴棚を開けた刹那に、赤いクレヨンが一個、落ちてきた。一瞬悲鳴を上げそうになった。愛梨に投げ渡して、そのまま調べると、何か手に触れた。

スマホを当ててみると、そこに懐中電灯があった。それを取り出した。

「見つけたぞ」

愛梨に手渡すと、流石だと褒められた。ちなみに安室は赤いクレヨンをもう三個見つけてた。

懐中電灯をつけ、先に進む。夫婦の部屋だろうという場所へと踏み入れる。その部屋はリビングのようで、キッチンと、電源の入っていないTVに、ソファ、ダイニングテーブルと、その他に温かい色のカーペットなど引かれている。

ホラーゲーム的に、TVは点くな、絶対。

ダイニングテーブルの上に、この家の図面があった。それを手に取った刹那に、TVが点いた。ホラーゲームかよ。砂嵐がしばらく続く。

フラグ回収したのかよ。

私を含めた三人の視線は、TVに釘付けだった。

砂嵐がやんだ。暗い画面だが、電源は点いた。

――ごめんなさい

赤い文字が浮かび上がった。

それを皮切りにひたすら赤い文字がどこぞのホラーゲームよろしく画面を埋め尽くした。

ぶっちゃけふざけていないと、精神が崩壊してしまいそうなくらいビビっている。

「演出凄いですね……」

そうですねと、安室が返す。

なんでそれだけで済むんだ、お前ら。

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