69.『上賀茂愛梨の悩み その仇』 ページ24
宮林颯悟、35歳。推理作家兼写真家。江戸川乱歩賞を一昨年受賞した。代表作の『ひめゆりの園』は衝撃作で、昨年映画化した)。
｢作家が何やってるんですか。ただでさえ、最近、風当たりは良くないんですよ」
それでも宮林先生は振り返ることは無かった。彼越しにみたポアロの店員二人の驚いた顔がとても面白かった。
まあ、来るつもりなかったからな。
少し前に遡る―――――
ドローンを下げ、音声を拾う。このドローンにカメラを取り付けたのは阿笠博士らしく、そのカメラはまあ、改造済で、音声が聞き取りやすかったのだ。
その内、完全犯罪とかしてしまいそう。
｢愛梨ちゃん、もっと怯えてくれ。その姿もかわいいよ」
欲を孕んだ声で、その人はそう囁いていた。うわ、気持ち悪い。超絶気持ち悪い。鳥肌が立つんだけど。
――漸く、欲しいものが出来たからね
そういう意味、だったのか。本当に、業腹だ。
｢君がいるだけでいい。僕のそばで、ずっといてくれさえすればいいんだ……君の欲しい技術も、海月先生の持っていない技術も余すことなく全て教えてあげる」
その言葉に、思わず立ち上がっていた。その言葉は、何か異質なものを感じた。そしてそのまま、預かっていた鍵で、ポアロの戸締まりをし、コナンに電話を掛けていた。
｢愛梨姉ちゃんに好意を向けるのはわかるよ。でも、やっちゃあいけないことってあるんだよ」
コナンは背後から宮林先生にそう訴える。血液送るのはどうかと思うんだよね、本当。サイコパスかな。
｢―――だからなんだっていうの？
でも、君たちだって恋心を抱いたらそんなものだろう？
好きな人に少しでも近づきたくて、見ていない？
好きな人の好きなもの、知りたくない？
嫌いなものも、全部。
それも、全て、相手の気持ちなんて関係ないよね？」
宮林先生の歪んではいるが、筋の通った言葉に、ああ、確かにと、思ってしまう自分がいた。結構痛いところつくなこいつ。ポケモンのゲームを思い出すわ。
｢だからといって、ストーカーをして良いという理由にはなりません」
安室が私やコナンの言葉を紡いだ。
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黒井蜜柑(プロフ) - 花枝さん» ありがとうございます！本当に、長らくお待たせしてすいません！週一掲載で続けていけたらいいなと思っていますので、なるべく終了まで更新停滞がないようにがんばります！ (2021年5月24日 14時) (
レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
花枝 - お待ちしておりました！おかえりなさい、これからも応援しています！ (2021年5月23日 23時) (レス) id: 43f2320b1e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - きゃろさん» すいません、長らくおまたせしました！本当に更新停滞気味が多くてすいません。なるべく早くは続きを挙げたいと思いますのでもう暫くお待ちください。 (2021年4月29日 7時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
きゃろ(プロフ) - おかえりなさいです！続きが更新されてるのが嬉しくて感想を書いてしまいました！続き楽しみにしています。 (2021年4月29日 2時) (レス) id: d6911c13cc (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - 藤崎さん» 全然大丈夫です！期待に添えれるように、頑張っていきます。本当ゆっくりし過ぎですいません。 (2019年3月22日 23時) (レス) id: 16fd2908cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒井蜜柑 | 作者ホームページ：http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時：2019年2月14日 16時
