【名探偵コナン】転生作家の心得 Act.2

56.『DAY×DAY』 ページ11

サッカースタジアムへの爆破事件がニュースで取り上げられている。ポアロの前も、毛利探偵事務所に犯行予告と、それに伴う爆発の件もあってか、TVが来ていた。

「先生、優雅に珈琲飲んでますけど、正体バレたら、いいスクープ記事扱いされますよ」

愛梨がお盆を抱えたまま、呆れたように私を見る。私は、珈琲を置いて、パソコンへと眼を向けた。

「バレない自信がある」

私がそう言うと、安室は隠してますからねと苦笑いを浮かべる。

「犯人みたいですね」

愛梨の失礼な発言に私は眉を跳ね上げる。私の反応に彼女はヤダ先生怖いと笑って、カウンターへと引っ込んだ。

「海月先生、何か食べますか？」

安室の言葉に、私はメニュー表を開く。最近、胃袋をがっしりとポアロに掴まれている気がしてならない。

「……じゃあ、ハムサンド」

私はそう言って、メニュー表を閉じた。安室に綺麗な笑顔で頷かれた。それは、いつもの作り笑顔ではなく、時折、見せる破壊力のある笑顔だった。

だから、何、その笑顔。

「先生、もっと食べないといけないと思います」

愛梨の苦言にうるさいと返した。

「ってことで、デザート行きましょ、デザート！」

愛梨はにっこりと、勝手に注文しようとする。私は彼女の肩を掴む。

「甘いものいらない」

しかし、勝手に注文された。解せん。

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