烈火 1 ページ27
モノクロと契約してから明日で1ヶ月。カレンダーで言うと3月、まだ少し寒い。
あの廃工場に誘い出したり、人気のない道で後ろから襲ったりしてなんとか59人の人間の魂を取り込むことに成功した。
悪魔狩りに見つかりそうになったり、ターゲットにした人間に反撃されて死にかけたり、モノクロに横取りされたりと色々大変だったけどなんとかここまでこれた。
順位は666位から2つ上がり664位に。ただの人間なら普通に殺せるようになった。
いつの間にか人間を殺すことを何とも思わないどころか、少し楽しくなってきていた。
殺して魂を取り込めば取り込むほど、自分の体に力が満ち、強くなる。それが嬉しくて仕方ないんだ。
姉ちゃんは人間を殺したくはない、それはいけないことだと言っていた。
でも、楽しそうに笑いながら人間を殺していたのも姉ちゃんだ。
モノクロも楽しそうに人間を殺して食う。
……これは自分が生きるためだから、必要なことだ。
殺すことは魂を取り出すのに必要なんだ。
人間が食事を楽しむみたいに、楽しんだっていいじゃないか。
まぁ自分は悪魔だし。
そうして強くなって、触らずに物を動かせる力は最初の3倍くらい動かせるようになったし、全く疲れないで能力を使うことができるようになった。もう1つの方は体力の消費が激しいけれど。
できれば今日中に目標の60人目の魂を取り込んで、順位を1つ上げたい。
そう思って人間に化けて町を歩くが、なかなか標的が決まらない。
一人で大通りを歩いていると、ある少女が目に入った。
今にも泣きそうな顔で道の端に立つ、多分バイオリンとかそんな感じの楽器が入ってそうなケースを持った、10歳くらいの高そうで落ち着いた色のドレスを着た金髪の少女。
その側には執事らしき黒いスーツを着た初老の男が立っていた。
立ち止まり、少し離れた位置から2人の様子を見ていると、会話が聞こえてきた。
「私、行きたくない」
「そんなこと言わないでください、アリア様」
「絶対に嫌、私ここから動かない」
「旦那様から、今日は必ずレッスンに連れていくようにと、言われているのです」
「嫌よ、だってあの先生、すぐ怒るのよ。持ち方が違うとか、心がこもってないとかって。それに私、お父様やお母様の見栄のためにバイオリンを弾くなんて嫌よ!」
「ですがアリア様、そろそろレッスンの時間が……」
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時