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実践 16 ページ24

先程のようにモノクロ影が伸び、形を成し始める。

 現れたそれは黒い色の化け物だった。

 口は俺を簡単に飲み込めてしまえそうなほどに大きく、鋭い牙がびっしりと生えていた。

 そしてそれは今までのモノクロの影とは違い、明らかに意志のこもった大きな目でもって俺を見た。

 それは歯をガチガチと鳴らし、よだれを垂らしながら俺の方へゆっくりと近づいてくる。

「あ……」

 ビビってしまって、体が動かない。

「そいつは間違っても食うなよ。あの死体を食え」

 モノクロの声がすると、それはくるりと向きを変え、滑るように移動して少女の死体に食らいついた。

 骨が砕け、肉が裂けて、血が滴る音が廃工場内に響く。

 あれ? 血とかも残しちゃいけないんじゃ?

 そう思ってそれが死体を食っているところの床を見ると、いつの間にか廃工場の床いっぱいに広がった影の中に溶けるようにして吸い込まれていた。

「一つ言い忘れてたんだがな」

 すぐ真横にいるモノクロが言う。

「え? 何?」

「お前が俺を召喚した魔方陣やらなんやらがあったろ」

「あ! あー、あった、ね。えっと、もしかしてそれも……」

「あぁ、特定の手掛かりになる」

「だとしたら不味いんじゃ」

「俺が消しておいた。ついでに赤ん坊と山羊も食った」

「えっと、ありがとうございます……」

「もし人間に呼び出されたときのため、覚えておけよ。……ほら、片付いた」

 いつの間にか何の音もしなくなっており、広がった影もあの化け物も消えていた。

 周りを見れば、何もなかったみたいに綺麗になっているどころか、置いてあった棚やゴミなども消えて前よりも綺麗な状態になっていた。

「と、まぁ、こんな感じだ」

「なるほど……」

 いや、これは真似できない。

 どうするか真剣に考えないと……。

「行くぞ、今日は疲れたから帰る」

 モノクロが歩き始める。

「あの、帰るってどこへ? 俺のとこ?」

「あんなとこに帰るわけないだろ、俺の家だよ」

 どんどん歩いていくモノクロの後に着いていく。

「……瞬間移動的なやつは?」

「使わない、あれは思っているより力の消費が大きいんだ。だから電車で帰る」

「はぁ、そうですか」

 強い悪魔でも電車に乗るんだ……。何かちょっと変な感じ。

 廃工場の外に出ると、既に日が落ちており辺り暗くなっていた。

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- ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時

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