実践 11 ページ19
シャッターの前で騒ぐ少女達に近づき、殺す…………。
いや、ちょっと待て。
よく考えろ。俺は人間以下だぞ?
今行ったら、パニックになっているとはいえ二人にボッコボコにされて終わりでは?
「あの……、モノクロさん」
「ん? 何だ」
「俺、素手じゃ行ける気しないんでせめて、その、武器が欲しいです」
モノクロが呆れた顔で俺を見る。
「あのですね、素手よりも何かあった方が、殺しやすいと思うんです。あー、正直にいうとね、ほら、俺弱いから、攻撃手段がなくてですね、素手じゃ行けそうにない気が……」
「……はぁ。分かった。これ使え」
そう言ってモノクロは自分の足元、自身の影から柄の部分も刃の部分も黒い刃渡り15センチ程のナイフを引っ張り出し、こちらに差し出した。
「これで十分だろ」
「……うん。不安だけど、やってみる」
モノクロの手からナイフを受けとる。
ナイフは思っていたよりも軽く、少し向こうが透けて見えていたがかなり頑丈そうだった。
「それじゃ、俺はここで見てる」
モノクロはそう言って、いつの間にか現れた黒い大きなソファーに寝転がった。
「ほら、早くしろよ。もしかしたら声を聞き付けて他の人間が来るかも知れないぞ。他の悪魔だったり、悪魔狩りの連中だったりがくるかもな」
少女達はまだ外に向かって助けを求め叫んでいるようだった。
やるしかない。
少女達の方に向かって走る。そして、リリアの背中に向かってナイフを振り下ろした。
「リリア! 危ない!」
ミヤが叫ぶ。
それに気づいてリリアは間一髪のところでナイフを交わした。
「あ、え……。嘘!?」
まずい。外した。
しかし、リリアは腰が抜けてしまったのかその場に座り込んでいる。
続けてもう一度、リリアに向かってナイフを振るが、ミヤがリリアを無理矢理引っ張り立たせ、後ろに下がったため当たらなかった。
「おい、しっかり当てろよ」
後ろからモノクロの声が響く。
「分かってるって!」
でも、こっちが武器を持っているおかげで丸腰の少女達は反撃してくる気配はなかった。
「ひっ、ぐぅ……。もうやだぁ……」
「リリア、こっちに」
ミヤがリリアを支えるようにして、できる限り全力で走って逃げて行くが、簡単に追い付ける程の速度だった。
あっという間に距離を詰め、その背中に向かってナイフを振り下ろした。
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時