実践 8 ページ16
「は?」
あまりにも突然のことでどうしたらいいか分からなかった。
「お兄さん達もここにいるってことは、そういうことでしょ?」
「え、それって、どういう……」
「あたしリリアっていうの。あたし以外にもう一人いるからさ、丁度一対一だし、今日なら一回5万でいいからさ。どう?」
左手の親指と人差し指で輪を作り、そこに右手の人差し指を抜き差ししながらリリアが言う。
……そういうことか。
だが、どうしたらいい? モノクロの方を見ると、目が合った。一瞬だけ呆れたような顔をした後、モノクロはリリアの方を見た。
「あぁ、そいつはいいな。丁度暇してたんだ」
モノクロが言うと、リリアは嬉しそうに笑った。
「よかったぁ、じゃあここでちょっと待っててもう一人の子連れてくるから!」
そう言ってリリアが小走りで向かったのは、俺達がいる場所から少し離れた場所にあるベンチ。あの追いかけていた少女のところだった。
まじか。こんなご都合主義みたいなことってあるんだ。
リリアが近づくと少女は顔をあげ、何やら話しているようだが会話の内容は聞こえない。
「ははは、丁度よかったな、狙ってた奴もいけるぞ。まさか、向こうから来てくれるなんて」
モノクロが少し嬉しそうに言う。
「あー、うん。よかった……のかな?」
「いいことだろ、一度に二人も行けるんだ。それに、ああいうのはわりとちょろくて騙しやすい。いいカモじゃねぇか」
「そうだけど、俺あんまりそういう経験ないから、どうしたらいいか分からなくて……」
「あぁ、そんな事だろうと思ったよ。……そうだな、じゃあ俺がお前の代わりにあいつらを人気のない場所に連れて行く、そんで逃げられないようにする。30点だったからこのくらいまではやってやる。次からは全部自分でやれるようにしろよ」
「ありがとう。ホント助かる……」
そうしていると、リリアとあの少女がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
「待たせてごめんね!」
そう言いながら二人は近付いてきて、俺達の前に立った。
リリアはニコニコしているがもう一人の少女の方は、表情が固く、緊張しているような感じだった。
「もう一人の子連れてきたから、ほら、挨拶して」
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時